葉山のナチュラルワイン専門店「ami（アミ） hayama」（葉山町一色）が8月19日、旧東伏見宮別邸から譲り受けたオルガンによるチャリティーコンサートを開催する。

旧東伏見宮別邸から鬼無夫妻が譲り受けたリードオルガン

　同オルガンは、国の登録有形文化財で葉山に唯一残る宮家の旧別邸にあった。建物は現在、イエズス孝女会が修道院旧館として管理し、コンサートなどが行われることもある。

　御用邸に続く行幸通りに面した同店の店主夫妻、鬼無亮仁さん・美穂さんは6月に香川県から遊びに来た家族と同別邸を訪れ、帰り際、玄関近くの大きなびょうぶの裏に置いてあったオルガンに亮仁さんが気づいた。「ひっそりと置かれていたが、呼び止められたような気がした。案内してくれたシスターに『弾いてください』と言われ、音を出したら、すごく良い音色で驚いた。もらってほしいと言われ、譲り受けた」と話す。以来、毎月第3土曜にコンサートを開いている。

　KAWAIと彫られた足踏み式のオルガンは傷もほとんどなく、椅子もセットで残っていた。調べてみると約100年前に製造されたリードオルガンだと分かったが、30年ほど前に修道院に来たシスターは使われている様子を見たことがなく、いつどうしてここにあるかなどは分からないという。

　鬼無さん夫妻は今年、世界コーラスオリンピックで銀賞を受賞したコーラスグループ「AK Choir」も主宰する音楽家。亮仁さんは「葉山には音楽家も多いし、家に置いておくより、店に置いておく方がいろいろな人とつながれるような気がした。ゴスペルとオルガンはとても相性がいいので、月に1度のコンサートではコーラスのメンバーとゴスペルや讃美歌などを披露する」と話し、「オルガンは私が弾くので、他の楽器とコラボしてもいいし、オルガンの伴奏で歌ってもらってもいい。ストリートオルガンのように親しんでもらいたい。ここにオルガンがあることで町にとっても大切な旧別邸のことを知ってもらえたら」と呼びかける。

　コンサートの開催時間は13時と15時から約30分間。1ドリンク制。営業時間は11時～21時。火曜・水曜定休。