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逗子の老舗和菓子店「三盛楼」が閉店 地元の銘菓、75年の歴史に幕

老舗和菓子店「三盛楼」のシャッターが閉まる。5月30日最終日に

老舗和菓子店「三盛楼」のシャッターが閉まる。5月30日最終日に

 JR逗子駅前の老舗和菓子店「三盛楼(さんせいろう)」(逗子市逗子5)が5月30日で閉店した。

「三盛楼」店主の坂井田正志さん。最終日に店内で

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 最終日、開店前から行列ができ、当日用に作られたみたらし団子やきんつば、波子最中などが次々に売り切れ、11時にはシャッターが閉められた。最後の客は、誕生から一生餅など成長に合わせてお祝いの菓子を購入したという父娘だった。

 同店は逗子ゆかりの文豪・徳冨蘆花の名作「不如帰(ほほとぎす)」の舞台にちなんで創作された神奈川県指定銘菓「浪子最中」「不如帰饅頭(まんじゅう)」のほか、1941(昭和16)年、軍の強制移転で消失した集落に思いを寄せたふるさと銘菓「柏原」、逗子八景「帰帆サブレー」など地元土産としても親しまれてきた。

 店主の坂井田正志さんは「横浜で創業した祖父母が中華料理店として始めた店名。関東大震災で被災し、逗子へ移り、父がここで和菓子店を始めた。1951(昭和26)年、私が生まれた年に有限会社にして75年。45歳で引き継いだ。向かいには同じ和菓子店『長嶋屋』もあった」と振り返る。

 こどもの日にはかしわ餅を求めて長い行列ができる。「和菓子は年中行事や学校行事、神事仏事などの文化を背負っている。菓子そのものだけでなく、折り箱や掛け紙などもそれぞれに作ってきた。店がなくなる寂しさとともにそういう伝統を伝えられなくなることが残念」とシャッターを閉めた店で坂井田さんは話す。「店名はこのビルの名前として残る。お客さんをはじめ、支えてくれた皆さんたちに感謝しかない」としみじみ。

 行列に並んでいた地元の女性は「今週は毎日、昼過ぎには売り切れて、閉まっていた。勤め人なので平日は夕方しか来られず、今日はやっと来られた。もうこの味を食べられないかと思うとさみしい」と惜しむ。

 「柏原」は柏原で暮らしていた人たちの会に引き継ぐ話もあるという。

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