逗子のテキスタイルブランド「AMONG（アマング）」が現在、レンタルギャラリー＆ワークショップスペース「atelier Linden（アトリエ リンデン）」（逗子市逗子5）でポップアップ出店を行っている。

最初にデザインした「樹」のハンカチ。1つ1つにメッセージが添えてある

　東京・銀座のレストランで一緒に働いていた中村寛子さんと2014（平成26）年に同ブランドを立ち上げた金子桃子さんは「本当に自分たちが欲しいものは何だろうと考えて、子ども服の試作を始めてみたが、既成の商品の中にその答えはなく、生地から作ってみようということになった。どんな時も心晴れやかに、健やかに暮らしていく力になるものが欲しかった」と振り返る。

　2人は、中村さんの育った横浜伝統の染色技術で、一色ずつ手で染める「横浜染め」の工場数社に連絡を取り、ストールから作り始めたという。「生地をどうやって作るのかも知らなかった私たちを1社だけ受け入れてくれた。最初の柄は街路樹が地面に影を落とす風景をデザインしたもので、影から樹に気づくこともある、いろいろな視点がある、というメッセージを込めた」と金子さん。

　スカーフやバッグ、財布、ベルト、エプロン、ポーチなど同ブランドのデザインには全て、「心が晴れるメッセージ」を添えているという。生地のイチゴ柄には「一期一会」、イネ柄には「オイシイネ！」などのメッセージを込める。

　同ブランドはこれまで、オンラインストアと百貨店の期間限定ショップで販売を行っているが、金子さんは子育てを機に長時間地域外の店頭に立つことが難しくなり、地元の逗子で販売できないかと模索した結果、月初めの1日から1週間営業するポップアップ出店を2021年12月から始めた。

　金子さんは「子育てしながらでも販売と商品企画と両方取り組むにはちょうどいいバランス。将来は海外にも販路を持ち、布にこだわらない空間つくりもしていきたい」と笑顔を見せる。

　営業時間は10時30分～17時（初日は12時から。最終日は16時まで）。6月7日まで。