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逗子開成中学校初の「シゼコン」入賞 スズメと口笛の研究で

受賞後、今年もスズメと口笛の関係の調査を続けている石渡戸優さん(提供=石渡戸さん)

受賞後、今年もスズメと口笛の関係の調査を続けている石渡戸優さん(提供=石渡戸さん)

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 逗子開成中学校(逗子市新宿2)3年(当時)の石渡戸優さんが「自然科学観察コンクール(以下、シゼコン)」中学生の部で同校で初めて入賞(佳作)し、4月4日、同校広報部が運営するフェイスブックで報告された。

顧問の木村浩明教諭と石渡戸優さん。先月届いた表彰状を手に

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 シゼコンは1960(昭和35)年から続く全国の小・中学生を対象とした理科自由研究コンクールで、2022年度は中学生の部に2620点の応募があった。

 石渡戸さんが在籍する物理化学部は「ひれ推進コンテスト」「高校生理科研究発表会」「電子ロボコンテスト」など外部のコンテストで多くの受賞歴があり、約100人の部員がいる。

 生き物好きだった石渡戸さんは同部の「自然研究班」で活動。先輩たちが研究した「種類・場所ごとに鳥に警戒されずに接近できる距離」に関心を持ち、前年はスズメに車の音、人の足音、カラスや猫の鳴き声などを聞かせて飛び立つ距離を観察した。「観察していると口笛に反応するスズメの行動に注目してみたいと思えることがあった。口笛に集まってくることもあるし、私の口笛を認識して仲間に知らせるような行動も見られた」と石渡戸さん。

 石渡戸さんは昨年6月から約3カ月間、調査を繰り返し、11月までに30ページに及ぶリポートにまとめた。データや写真を合わせると箱で送るほどになったという。シゼコン応募前、「鳥学会コンテスト」のポスター発表にも挑戦した。石渡戸さんは「そのコンテストの時に、生き物相手の研究は何もデータが取れないこともあるが、何も得られなかったことも大切にするようにというアドバイスをもらえてとても良かった」と振り返る。

 同部顧問の木村浩明教諭は「シゼコンは全国の中学生が憧れるコンクールで、優秀な先輩たちも挑戦してきたが入賞できなかったので、彼の入賞に私たちも驚いた。卒業した先輩たちと縦のつながりがある部で、アドバイスしてくれた先輩たちも喜んでいる」と話し、「生徒たちは研究していると、賞を取ろうというモチベーションより、研究そのものが楽しくなっていくようだ」とも。

 高校1年生になった石渡戸さんは現在も決まった時間に口笛を4秒吹いて2秒、間を空けるリズムを5回繰り返す方法でデータを取り続けている。「データとして結果があってもなくても、いろいろなものを集めて長い目で研究することができて自分に自信ができた。生き物の研究以外にも生かせる」と笑顔を見せ、「今年は高校生理科研究発表会で上位入賞を目指す」という。

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