プレスリリース

関西学院大学が国際会議「ICSCRM 2026」で四半世紀にわたるSiC研究成果を世界へ発信

リリース発行企業:学校法人関西学院

情報提供:

次世代パワー半導体材料として注目される炭化ケイ素(SiC)と関連材料に関する国際会議「ICSCRM 2026(International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2026)」が、2026年9月27日から10月2日にかけて、横浜市のパシフィコ横浜ノースで開催されました。会議には、世界36か国・地域から1,949名が参加しました。
ICSCRMは1987年から続くSiC分野の国際会議で、材料開発からデバイス応用まで、世界各国の研究者や技術者が最新の研究成果を発表する場です。
関西学院大学からは、工学部の大谷昇教授と金子忠昭教授の研究グループが参加。大谷教授による招待講演をはじめ、両研究室の教員・学生が研究成果を発表しました。また、研究成果を社会実装につなげる産学連携の取り組みも紹介しました。



大谷昇教授が招待講演
9月29日には、大谷教授が、「Interactions between point defects/impurities and extended defects during 4H-SiC crystal growth(4H-SiC結晶成長における点欠陥・不純物と拡張欠陥の相互作用)」と題して招待講演を行いました。
SiCの品質や性能の向上につながる研究で、本学が長年積み重ねてきた研究成果を世界に発信する機会となりました。
また、大谷教授は本国際会議の組織委員会で副委員長(General Vice Chair)を務め、会議の運営にも携わりました。



学生も世界の研究者に研究成果を発表
大谷研究室は4件、金子研究室は5件※の研究成果を発表しました。
大谷研究室の末田隼太さん(理工学研究科博士課程前期課程2年)は、SiC結晶を作る際のわずかな条件の違いが完成した結晶の表面や品質にどのような影響を与えるかについて発表。末田さんは、「海外の研究者に英語で研究を説明する難しさを感じる一方、さまざまな視点から質問や意見をいただき、多くの気づきを得た。今回の経験を今後の研究に生かしていきたい」と振り返りました。



また、金子研究室の岸本理央さん(理工学研究科博士課程前期課程2年)は、SiCを加熱した際の特性変化を調べることで、結晶欠陥の挙動や材料の品質・安定性を評価する研究を発表しました。岸本さんは、「発表準備では、成果をまとめることに焦るあまり、研究の根本を見失いかけたこともあった。議論を重ねる中で、改めて『なぜそうなるのか』を最後まで突き詰めることの大切さを学んだ。この経験は、今後の研究活動だけでなく、人生においても大切な財産になる」と話しました。



学生たちの発表について、大谷教授は、「海外の研究者との交流を通じて、研究者としての視野を広げるとともに、グローバルに活躍する人材としての力をさらに高める貴重な機会となった」と評価しました。
また、金子教授は、「研究では、目の前の結果だけでなく、その背景にある『なぜ』を突き詰めて考えることが大切。今回の国際会議で得た経験を糧に、研究の本質に向き合うとともに、その成果が社会でどのように役立つのかという視点も持ちながら、成長してほしい」とコメントしました。
※金子研究室はQureDA Research株式会社と共同で5件の研究成果を発表しました。このうち1件はレーザーテック株式会社を含む共同発表です。

四半世紀の研究成果を、社会で役立つ技術へ
関西学院大学では、四半世紀にわたりSiCの研究と技術開発に取り組んできました。現在は、基礎研究や応用研究に加え、企業との連携によって研究成果を社会で役立つ技術につなげる取り組みも加速させています。
その一つが、2023年に学校法人関西学院と豊田通商株式会社が共同で設立したQureDA Research株式会社(https://www.qureda-research.com/)との連携です。今回の国際会議でも、金子研究室とQureDA Researchが、SiCの高品質化や製造技術に関する複数の研究成果を共同で発表しました。



関西学院大学は、ICSCRM 2026で得られた新たな知見や世界の研究者とのつながりを生かし、SiC研究をさらに発展させるとともに、産学連携を通じて研究成果を社会実装へとつなげていきます。