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JR逗子駅そばの警報機も遮断機もない35,5メートルの踏切が廃止に

廃止前日に山の根踏切の柵に張り出されたメッセージ

廃止前日に山の根踏切の柵に張り出されたメッセージ

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 JR逗子駅から東逗子駅寄り約300メートルにある山の根踏切(逗子市逗子2)が8月20日1時、廃止となり、横断できないように工事が行われた。

廃止直前に通行する地元鉄道ファン

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 同踏切は全長35.5メートル。横須賀線と貨物、留置線の9線をまたぎ、遮断機も警報機もない「第4種踏切」で、鉄道関係者によるとこれほど長い同種の踏切は全国を見てもそう多くなく、とりわけ首都圏ではほかにないのではという。逗子在住で鉄道ファンの女性は「踏切を渡りながら見ることができる車両が並ぶ風景は整然としていて、撮り鉄でなくても撮りたくなる逗子の映える景色の一つ」と話す。廃止前日の昼間には、多くの鉄道ファンもカメラを持って集まっていた。

 夜中1時、廃止の工事が始まると、20数人が集まり、枕木をはがし、標識を抜き、柵を外す作業などを見守った。17年間、生活道路として踏切を利用したという男性は「小さい頃から当たり前のようにあった道。閉まるところを写真に撮りたくて」と言い、父親と来た女子中学生は「図書館に行く時とか渡っていた。夏休みの思い出に来てみた」と踏切の形がなくなっていく作業にカメラを向けた。

 JR東日本の2019年の調査では1日に約400人が生活道路として利用していたという。災害時の避難道路としても存続する方法はないかという住民の声があったが、踏切内での死亡事故や踏切手前で電車を緊急停止させる状況もあった。

 20日4時頃、廃止に伴う作業が終わり、通行口にはフェンスが置かれ、通行できないようになった。手前の横断歩道や一時停止線などは、逗子警察署が近日中に対処するという。

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