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葉山のアーテイスト真砂秀朗夫妻、住まいの別荘住宅の一部をサロンギャラリーに

真砂秀朗さん。仕事場で

真砂秀朗さん。仕事場で

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 葉山の森戸川沿いに立つ、アーテイスト真砂秀朗さん・三千代さん夫妻の住まい兼仕事場の一部がサロンギャラリーとなり、葉山芸術祭でも開放される。建物は昭和初期に建築家、遠藤新氏が設計した別荘住宅。

ギャラリー。元は玄関からのアプローチ

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 秀朗さんは東京芸術大学デザイン科を卒業後、メディアを勉強するために企業のデザイナーの仕事に就いたが、一度ドロップアウトする必要を感じたことから、バリに家族で移住。「社会を断ち切ってみると見えてくるものがあった。バリの人たちは田んぼをやりながら、絵を描いたり音楽をしたりするアーテイストだった。芸術と衣食住が一体になっている在り方にカルチャーショックを受けた」と秀朗さん。

 1980(昭和55)年から、友人が住んでいたこともあり、葉山に在住。「バリのような生活がここならば実現できるかもしれないと思った」と振り返る。最初に取り組んだのは、バリでスケッチしてきた竹造りの建物を海岸に作ったこと。現在まで約40年続く、森戸海岸の海の家「オアシス」だ。オープン後10年ほどは自ら経営していた。

 今年3月31日には、約30年住み慣れた家を一部改築し、サロンギャラリー「明風」として、オープンした。米建築家フランク・ロイド・ライトの日本でのまな弟子、遠藤新が侯爵のために設計した別荘建築で、真砂夫妻は4人目の家主。代々、部屋の使い方によって手が加わっているが、暖炉や床、戸、窓など細部にも遠藤の個性が残されている貴重な物件。葉山には明治後期から宮家や華族をはじめ文化人など各界の名士の別邸が次々に建設され、昭和初期には約500の別荘があったが、その当時の建物で現存しているものは10分の1以下と言われている。

 秀朗さんは「別荘建築をフォーカスすることで葉山の大きな文化に成り得ると思う。サロンギャラリーはこういう風に生かすことができるという一つの提案」と説明。

 妻・三千代さんはオーガニックコットンの日常着をデザイン・制作し、ブランド「Lifeafa」を主宰している。サロンの一部屋は、衣装など服の注文を受ける場所になる。

 年に2、3回は夫妻の作品とゲストを招き展示会を予定。秀朗さんの絵や書は常設展示する。5月6日には、ミュージシャンでもある秀朗さんがサロンコンサート開催。定員は30人(要予約、3,000円)。

 真砂夫妻はアーテイスト仲間らと昨年、ネットワークの場として「葉山ART WALK」も立ち上げた。秀朗さんは「葉山で創作はしているけれど、発表をしていないアーテイストがたくさんいる。そういうアーテイスト、クリエーター、文化人たちがつながって、芸術村のようになればそれも葉山の魅力つくりに貢献できるのでは」と話す。
 4月27日から開かれる「葉山芸術祭」の共催企画として参加し、サロンギャラリー「明風」も見学できるガイドツアーなどを行う。

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