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葉山の築90年の加地邸で音楽と飲食を 有形文化財の継承を目指して

葉山環境文化デザイン集団の代表、高田明子さん、加地邸の庭で

葉山環境文化デザイン集団の代表、高田明子さん、加地邸の庭で

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 葉山の築90年の「旧加地邸(かちてい)」(葉山町一色)で11月3日・4日、「加地邸をひらく~木管サロンコンサート~」が行われる。

加地邸の入り口

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 加地邸は三井物産初代ロンドン支店長を務めた加地俊夫の別邸。東京帝国ホテルなどを建設した米の建築家フランク・ロイド・ライトの愛弟子、遠藤新が設計し、1928(昭和3)年に完工。2017年10月、葉山で3番目に国登録有形文化財に認定された。一般公開はしていない。

 大谷石を多用した木造一部鉄筋コンクリート造2階一部地下1階建。ホームページによると「地形に合わせて流れるような建築、家具、照明器具に至るまで、総合的に設計する建築哲学をF.L.ライトから踏襲」とされ、存続に向けた研究では全国から建築家が訪れたという。

 コンサートを企画した「NPO法人葉山環境文化デザイン集団」は明治以降、保養地や別荘地として皇族や政財界などの人々に愛され、独特の別荘文化が育まれてきた葉山で、「歴史あるものは、まちの記憶として保全し、新しいものは、葉山らしさを大切に調和させていきたい」と活動している。代表の高田明子さんは「私の母校、自由学園にも遠藤新が関わっているということもあり、加地邸には特に思いがある。暮らしの中の工芸品が溶け込むような空間つくりが居心地のよさ。この良さを地元の皆さんに知っていただき、継承していく方法を考えている。今回、地元の素晴らしいクラリネット奏者、松本さんとつながることができて企画に至った」と話す。

 松本健司さんは葉山在住のNHK交響楽団の首席クラリネット奏者。サロンコンサートでは松本さん率いる木管三重奏の上質な音楽を楽しめる。高田さんは「音の響きがまたとても良い」と設計の特徴をたたえる。

 開催時間は、3日が1回目=12時~14時30分、2回目=15時~17時、4日が12時~14時30分。各回40人(事前申し込み制)。参加費(1ドリンク含む)は、大人=4,000円、小学生=2,000円。

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