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逗子で起業した女性がペルー原産果実「ルクマ」使った商品販売 全国へ

(左から)社長の阪口直美さんと副社長の縄田屋静子さん

(左から)社長の阪口直美さんと副社長の縄田屋静子さん

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 逗子の輸入製造販売会社「APIE(アピエ)」が7月22日、ペルー原産のフルーツ「ルクマ」を使ったアイスクリームとパウダーを商品化した。

ルクマのアイスクリーム。トッピングのカカオニブはエンディレクト(葉山町一色)で仕入れる(提供=APIE)

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 逗子で3月に同社を起業した社長の阪口直美さんは「ルクマは、日本でいえばりんごくらい、ペルーではなじみの果物。タンパク質、脂質、糖質をはじめ、食物繊維やビタミン、鉄、リン、カルシウムなどがバランスよく含まれ、『スーパーフード』と言われているが、日本で見かけることはなく、今回が日本初上陸。逗子から全国に広めたい」と意欲をみせる。

 阪口さんは大学卒業後、社会人経験を経て青年海外協力隊としてペルーで2年間活動。ペルーでルクマを知り、2017(平成29)年に帰国。2019年夏に海の近くに住みたいと逗子に移住した。

 副社長の縄田屋さんは「昨年末、初めて阪口さんからルクマを紹介された。まったく知らなかったが、栗のようなキャラメルのようななじみ深い甘さがあり、日本でも親しみやすい味に感じた。阪口さんの思いを聞き、一緒に事業化したいと思った」と話す。

 2人はこれまで、ペルーでの仕入れ先の開拓、国内でのアイスクリーム製造工場との契約、商品開発、販路開拓を行ってきた。現地JETROの協力の下、ペルー国内でルクマを粉に加工する工場約60社から、オーガニック認証を得ている工場6社に限定し、サンプルを取り寄せて最終的に1社とダイレクト契約を結ぶまで数カ月掛かったという。阪口さんは「ペルーの会社とオンラインで会話する際は、ペルー人の夫にそばにいてもらい、ペルーにいる夫の家族には現地の写真を撮ってもらうなど協力してもらうこともある」と笑顔をみせる。

 APIEでは現在、ルクマを使った商品を全国に広めようとクラウドファンディングサイトを通じ支援者を募集している。返礼品は商品化したルクマパウダーとアイスクリーム。ルクマパウダーを使った「完全オリジナルレシピ」も用意する。目標額の50万円は初日に達成し、8月10日現在130人以上が支援している。「目新しさがあり、興味を持っていただいている。糖質制限をしている人にも食べていただける」と阪口さん。支援募集は8月31日まで行う。

 阪口さんは、バックパッカーとしてこれまで東南アジアやインド、南米など40カ国以上渡り歩いたという。「途上国の課題もビジネスを通して社会貢献し、経済発展に寄与できることを知った。当事業を通じて、2年間お世話になったペルーに恩返ししたい。ルクマを通じてペルーのことをもっと逗子の皆さんに、そして全国の皆さんに伝えたい」と話す。

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