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逗子海岸の写真、14年間で6万枚から82枚選び書籍化 日記帳形式で「七十二候」紹介

和田文夫さんと書籍「雲を眺めて、七十二候」

和田文夫さんと書籍「雲を眺めて、七十二候」

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 逗子在住の編集者で小説家の和田文夫さんが3月に出版した「雲を眺めて、七十二候(しちじゅうにこう)」(ガイア・オペレーションズ)がSNSで広がり、注目を集めている。

逗子海岸で撮影を行う和田さん

 和田さんは自宅から近い逗子海岸で2003年から約14年間、1200日以上を費やし雲・空・風の写真約6万枚を撮りためた。ブログ「雲を眺めに逗子海岸」にも掲載してきたが、あらためて厳選し、1冊の本にまとめた。

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 和田さんは「写真家ではなくもともとカメラ好き。デジタルカメラを初めて買った時、練習のため近くの逗子海岸で雲を撮影したのが習慣になった。デジタル写真はパソコンにアップするのも簡単だったため、ブログも始めたら今度はそれを止めるきっかけがなくなった」と話す。「雲好きなので、空を分断する電線がない場所がどこかといえば海岸だった」とも。

 「七十二候を取り入れたきっかけは、作家の片岡義男さんのエッセーの中で書かれていた『5日ごとに季節は変わっている』という一文。七十二候の意味を調べたら中国で紀元前から受け継がれてきた暦のことだと分かり、暦の意味を意識し始めたら季節の移ろいにフィットしていると感じた」と和田さん。

 同書籍は、5日ごとに1枚の写真を掲載している。5日分×14年間の写真データの中から1枚を選ぶ作業を72暦分行い、1~2年かかったという。カメラ好きの人のために、撮影したカメラの機種も写真ごとに添えた。「あなた自身でつづる、季節の手帖」として、カレンダー形式の日記帳として書き込めるスペースもある。

 逗子海岸は、江の島と富士山と夕景を撮影する人が多い。和田さんは「東浜から富士山を狙って、定点観測することも考えたが、富士山に縛られるより、その日その日で一番いいと思った写真を撮ろうと思った」と話す。

 「撮影は日没時刻の前後1時間に行うことが多い。朝は活力があって元気のある写真が撮れるが、せつなさが欲しいと思うと夕方になる」とも。和田さんは現在、逗子海岸の撮影が一区切りしたため、小説を執筆中という。

 価格は2.160円。椿書房(逗子市逗子7)で販売している。