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逗子・小坪で体験した関東大震災111歳証言 ニッポン放送特番で

絵本「ずし小坪の関東大震災 109歳の証言」を手にする高嶋フジさんと甥の平井光義さん(提供=平井光義さん)

絵本「ずし小坪の関東大震災 109歳の証言」を手にする高嶋フジさんと甥の平井光義さん(提供=平井光義さん)

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 逗子市小坪で関東大震災を経験した高嶋フジさんの証言をもとにニッポン放送報道スペシャル「関東大震災から100年…111歳の証言」が5月28日深夜に放送される。

ニッポン放送の取材を受ける高嶋フジさん(旧姓平井フジさん)111歳(提供=平井光義さん)

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 1911(明治44)年8月15日生まれの高嶋(旧姓平井)さんは現在、111歳。関東大震災が発生した1923(大正12)年9月1日午前11時58分には、小坪にある自宅で2歳の弟と昼食中だったという。

 番組を制作したニッポン放送の記者で防災士の藤原高峰さんは、「111歳の貴重な証言をひもときながら、あまり知られていなかった神奈川県沿岸部の関東大震災の被害状況などを振り返り、今後、発生する可能性がある巨大災害に対する備えなどを提言していく」と話し、「フジさんが生まれ育った小坪にも行き、フジさんが津波から逃れるため弟を抱えながら漁港の浜辺から高台にある小坪寺まで実際に逃げたルートなどを自分の足で確認し、当時フジさんが経験した過酷さを体感した」とも。

 番組制作のきっかけは、藤原さんと関東大震災による三浦半島の被災状況などを調査研究し、継承活動をしている逗子の市民グループ「ジオ神奈川」との出会いだという。番組内では同グループが高嶋さんを取材して出版した絵本「ずし小坪の関東大震災 109歳の証言」も紹介する。

 同グループの蟹江由紀さんは「小坪の海岸で震災に遭遇した日本画家が残した絵『震後津浪襲来逗子小坪所見』をフジさんに見てもらい、絵が事実だったことが確認できた。小坪が陸の孤島となり、3日間飲まず食わずだったことなども聞いた。番組を聴いて逗子の海岸でも関東大震災で津波,崖崩れ,地盤液状化という大きな被害に遭ったことを忘れず,自然災害を最小にする手立てを考えてもらいたい」と話す。

 放送時間は29日(28日深夜)1時30分~2時30分。ニッポン放送のポッドキャスト「報道記者レポート2023」では藤原さんが取材したフジさんの音声を交えながら、番組を案内している。

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