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逗子の小坪漁港から新嘗祭へ「ミル」献上 3年ぶり

小坪漁港から神奈川県庁職員とともに海藻「ミル」を運ぶ漁師の篠田夫妻

小坪漁港から神奈川県庁職員とともに海藻「ミル」を運ぶ漁師の篠田夫妻

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 小坪漁業協同組合の理事で漁師の篠田夫妻と神奈川県庁職員が11月22日9時50分、皇居で行われる新嘗(にいなめ)祭に献上するため逗子の小坪で採取された海藻「ミル」を県公用車に積んで、賢所に向け出発した。

献上する桶に入れた海藻ミル

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 昨年は新型コロナウイルス感染禍のため、一昨年は前月に上陸した2つの台風の影響で採取できず、3年ぶりの献上となった。

 漁師の益子和男さんは「今年は海水温が下がらないせいか、育っていたミルが溶けたようになっている。そのため漁師たちは形の残るミルを見つけては採取して冷凍保存したり、海水を循環させている水槽で養生してきた」と話す。「献上する既定の2キロブラムが準備できて良かった。まつったあと、吸い物にしていると聞く。味があるようなものではないが」と篠田勉さん。

 篠田夫妻は昼過ぎに皇居坂下門から入り、賢所に奉納する予定。

 相模湾海藻調査会の主宰で約50年間、海藻の研究を続けているという小坪在住の高橋昭善さんは「どうして献上品の中にミルがあるのかなども数年調べている。1942(昭和17)年に宮内庁から神奈川県へ、葉山の漁師から逗子へお役が回ってきたようだ。詳しいことは分からないが、逗子から献上できることは誇らしい。今年は献上できてほっとした」と話す。

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