逗子の放課後児童クラブなどを運営する「そっか」が9月21日7時、逗子海岸から富士山を目指すプロジェクト「ZU SEA TO MOUNTAINS」のスタート、アウトリガーカヌーの行程を進んだ。
逗子海岸から5時間半後、目的地の小田原港に到着(写真提供=そっか)
参加メンバーはクラブ所属の小学5年生から高校生までの20人。隊長は逗子在住のプロスキーヤー三浦豪太さん。出発前、三浦さんは「今、コロナとか災害とか困難があるが、これからの110キロは自分たちから災害に向かっていくようなもの。海の中、山の中でつらいこともたくさんあると思う。でも昔の人がこの海の先に何があるんだろうと突き進んだように、私たちも自分の足を使ってゴールを目指そう」と子どもたちに呼び掛けた。
子ども達と力を合わせ人力で逗子の浜辺から富士山に向かう同プロジェクトは3つの行程が予定されている。逗子から小田原港までアウトリガーカヌーで約50キロ進み、9月26日27日に、小田原から仙石原を歩き、駿河小山までを、10月3日4日に明神峠を越え、富士山須走まで陸路は約60キロ、計110キロを移動する。カヌーのかじ取りは大人が務め、海上は漁船などが同伴する。登山はトレイルラン指導者らがサポートする。
三浦さんは「キーワードは足元から始める冒険。逗子から見える景色、海、江ノ島、伊豆半島、そして富士山はどれくらい遠いのだろう、その先にはどんな景色が広がっているのだろう。そんな単純な疑問を子ども達と一緒に発見する旅をしたいと思った」と話した。
副隊長を担う「そっか」の永井巧さんは、国内でのアウトリガーカヌーの普及活動をしながら、ハワイでの世界大会参加を目標としていたほどの経験を持つ。小田原港まで7時間の予定が5時間半で到着後、「天気も潮流も風もすべて好調だった。子どもたちはお互い励まし合って、着いた時には清々しい顔をしていた。保護者の皆さんはじめ多くの方に協力してもらってスタートできた」と永井さん。
参加メンバーの高校1年生、橋本さんは「小田原港が見えてからが長く、一生懸命漕いでも先導の漁船に追いつかず、私たちの力は小さいんだなと感じたと同時に、港で迎えたくれた逗子の方々を見て長い距離を漕ぎ切った感動とうれしさがこみ上げてきた。みんなで力を合わせれば大きなことが出来ると実感した」と話す。子どもたち20人は1時間から1時間半を交代で漕いだ。交代時は漁船から海に入り、自分の腕の力を使ってカヌーに上がる。海で練習を繰り返してきた。
9月26日は小田原の海抜0メートル、御幸の浜の海水にタッチしてスタート予定という。