シェアオフィス「かざはやファクトリー」(葉山町堀内)のメンバーで、本の執筆・編集を手掛ける永峰英太郎さんとイラストレーターの「とげとげ。」さんによる「カラダから出る『カタチのある』もの“キャラクター図鑑”』と「カラダから出る『カタチのない』もの“キャラクター図鑑”」が2月12日、誠文堂新光社から刊行された。葉山の書店「文教堂」では3月初めから取り扱っていたが、11日現在、入荷待ちという。
「カラダから出る『カタチのある』もの“キャラクター図鑑”』と「カラダから出る『カタチのない』もの“キャラクター図鑑”」。例えばこんなキャラクターが登場
鎌倉市在住の永峰英太郎さんは週2~3回、海岸線をバイクで走り、シェアオフィスに通っている。葉山在住のイラストレーター「とげとげ。」さんは2018(平成30)年9月にメンバーになり、翌2019年5月に永峰さんから、本のイラストの依頼を受けたという。「看護師だった私にとって体から出るものは観察対象物だった。面白いと思った」と「とげとげ。」さん。
永峰さんは「都内から横須賀線の終電で帰宅途中、鎌倉駅近くになって女性が鼻をほじっているところを見て、ドリルなどではやっていたウンコ以外でも人から出るものはあると図鑑の企画がひらめいた。『とげとげ。』さんが元看護師だったことを知っていたので、話を持ち掛けた。仕事場が一緒でやり取りもスムーズに進んだ」と話す。
体から出る「カタチのある」ものはウンコ、涙、毛、汗、ふけ、目ヤニ、鼻水、へそのごま、爪、ムダ毛、かさぶた、水ぶくれなど35種類、「カタチのない」ものは、におい、おなら、げっぷ、せき、しゃっくり、寝言、歯ぎしり、ため息、熱など36種類。その一つ一つのイメージから自由に連想してキャラクターを作った「とげとげ。」さんは「例えば、垢(あか)は引退セレモニーをする野球選手のイメージから『隠居アカじぃ』という名前のキャラクターに、お腹が鳴る音は、胃の形をしたキャラクターがラッパを吹く『ラッパーお腹(なか)グー』にした。派手に、ということで楽しんで作らせてもらった」と話す。
監修はテレビ番組でもなじみのある免疫学者で、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さん。見開きの左ページにはイラストと、出る場所や成分などのデータを記載。「重要度」と「キタナイ度」を5段階評価している。右ページでは、「なぜ出るの?」「どうやってできるの?」を科学的に、解説。「ムダのように見えても、人が生きる上で、実はとても重要な役割を持っているものも多い。『消したり』『ないことにしたり』することが、健康を害することもある」と伝える。
ビジネスや農業、親の老後・介護、認知症などの分野についての著作がある永峰さんは「分かりやすい文章を書くという点では、対象となる読者が大人でも子どもでも変わらないが、内容的には初めての分野で私自身、知らないことも多く、面白かった。文章だけでは伝わらないこともキャラクターを作ることで、手に取ってもらいやすくなるはず。新型コロナの影響で今はせきをすることも嫌がられるが、せきにも大切な役割がある。この本でからだから出るものに愛着を持ち、大切な役割を知るきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。
永峰さんたちは新型コロナ終息後、同本を寄贈した「うみとやまのこどもとしょかん」(葉山町下山口)でサイン会と販売会を開く予定。