逗子郵便局前に移転したこだわりの道具と雑貨の店「紡氣(つむぎ)」(TEL=046-876-5011)が7月8日にオープンし、同31日に逗子の地図をデザインしたオリジナルトートバックの販売を始めた。
ラ・エッフェル社長の高野博子さんと店頭で目を引く「山ぶどうの籠バック」
同店舗を運営するラ・エッフェル(逗子市逗子1)社長の高野博子さんは、この建物ならば本社と葉山の「かやの木テラス」にあった店舗を統合できると移転を決めたという。「郵便局の目の前ということで場所もわかりやすく、バス通りにも面しているので、バスの中のお客さんにも関心を持っていただけているようだ」と話す。
新店舗は1階が売り場、2階がオフィスで合わせて約30坪。店のコンセプトは、日本の伝統や職人の技が生きる道具と素材にこだわった雑貨を中心に、全国の隠れた逸品を提供すること。
店内には、有田焼の一膳おひつ、さわら材の米びつ、秋田杉の曲げわっぱ弁当箱などのほか、富山県在住の木箱づくり一筋、竹本力雄さんの「総桐計量米びつ」。西陣を代表する老舗帯メーカー「渡文」が、蚕が最初に吐く糸「キビソ」に目を付け、商品化した「浴用タオル」。兵庫県豊岡市の編元職人、佐藤昭治さんが「セロなわ」(セロファンをかぶせた紙芯を縄状に編んだもの)で作る「裁縫箱」など、大量生産できないために流通に乗りにくい物が並ぶ。
バイヤーとして全国に足を運ぶ井上純さんは「地方でものづくりをされている職人さんを応援したいと思って約30年になる」と話し、「店名の『紡氣』は、作った人と使う人の気持ちを紡ぐという意味を込めて「氣」という漢字も使っている。氣の中の米はエネルギーを意味している」と説明。「逗子にも店舗を持たないでものづくりをしている人たちがいる。地域を盛り上げる拠点にしてみたい」とも。
オリジナル商品もプロデュースし、販売している。移転オープンに伴い、逗子の土産物になればと、逗子周辺の地図をデザインしたオリジナルトートバックを製作した。「地図の中にどの地名や建物を入れるか悩んだ。これは試作品と思っている。今度はここを入れてほしいなどと話題にしてもらえたら」と期待する。店前に陳列した途端、反響があったという。
営業時間は10時~18時。