葉山町は、一色海岸と長者ヶ崎・大浜海岸に架かる臨御橋(りんぎょばし)を、改元を機に架け替え、安全に通行できる橋を目指す「架け替えプロジェクト」を始動すると3月29日に発表した。寄付の受付を4月1日に始める。
同橋は、1968(昭和43)年3月、木造の橋からコンクリート橋に改修されてから50年以上、地元では「赤橋」の名前で多くの人に親しまれてきたが、老朽化により、このままでは取り壊せざるを得ない状況にあった。御用邸の前の海岸にあり、天皇皇后両陛下が利用されることもあることから、地域の人たちは日頃から清掃活動を行っている。
29日、プロジェクトの発表に当たり、山梨崇仁町長をはじめ政策課の職員と近隣の町内会、子ども会、老人会の皆さん約50人が橋の周辺を清掃した。
葉山町老人クラブ連合会の会長、山崎時彦さんは「長い歴史を持つ天皇制と関わりのある御用邸の前にあるこの橋は私たち町民の精神的な支えにもなっている。歴史も含めてこの橋を子や孫、後世の人にも眺めてもらいたいと願っている」と架け替えに期待する。
同プロジェクトは「集める」「守る」「伝える」の3つの柱を据え、架け替えの寄付を集めるだけでなく、橋にまつわるエピソードを集め、プロジェクトについて周知し冊子も作成する予定。
同町によると、架け替えの工事を始めるには測量、土質調査、設計などが2020年後半から2021年前半ごろまでかかり、実際の工事は2021年後半から2023年前半になると予想され、2億~3億円が必要になるという。そのため、4月1日から「ふるさと納税」「指定寄付制度」を利用して町内外から寄付を募る。すでに町には全国から問い合わせが来ているという。
山梨町長は「もし寄付が集まらなくても町が責任を持って架け替えをするという決断をして始める」と話す。
寄付の方法やプロジェクトの詳細は町のホームページに掲載。