逗子市立小坪小学校(逗子市小坪3)6年児童が12月20日、アオリイカの生活環を学び、小坪漁港でアオリイカとの触れ合い授業を受けた。
アオリイカ漁師と地元のマリンスポーツ業者らが4月20日、地元の間伐材を使ったアオリイカの産卵床を設置する際、取り組みについて同小6年生に授業を行った。児童らは応援メッセージを書いた短冊を間伐材に付け、設置しに行く漁船を見送った。
この取り組みを立ち上げた「マリンボックス100」(新宿2)社長の小林太樹さんは「産卵床を設置した後の様子を伝え、本物のアオリイカを見せたいと思って担任教師とスケジュールを調整していた」と話し、授業前日に、逗子海岸沖でアオリイカ3杯を釣って準備した。
授業では最初に小坪漁港の漁師、市川潤弥さんが「漁港調べだが、5年前から獲れる量が半分になっている。ただ今年は2年前より多く獲れた。産卵床の効果かもしれないね」とアオリイカの現状を話した。続いて、釣り具メーカー「YAMARIA」(横須賀市)研究開発部の森有平さんがアオリイカの一生を説明。産卵床を海に沈めた後の写真や産卵に来たアオリイカの動画に児童たちは「かわいい」などと声を上げた。
その後、学校から歩いて10分ほどの小坪漁港に行き、臨時水槽で泳ぐアオリイカに触ったり、雄・雌の違い、色の変化を観察したりした。海釣り用品を製造販売するブランド「YAMASHITA」のエギングマイスター川上英佑さんは餌木(エギ)の説明をし、釣りの実演を披露した。
児童たちは熱心に話を聞き、「産卵床はこの後、海から引き上げるのか」「この取り組みが続く場合、市民も関われるか」「逗子以外で産卵床を作っているところはあるか」など次々に質問が投げかけられた。
授業を見学した桐ケ谷覚逗子市長は「海の近くで暮らしていても魚について知らないことが多い。小坪小の皆さんは海に一番近い場所に学校があるので、こういう授業を経験して『海のことなら任せて』というくらい勉強してほしい」と呼びかけた。
小林さんは「今後もビーチクリーンで始まったつながりを大切に、海のこと、アオリイカのことを子どもたちに伝えていきたい」と力を込めた。