食べる

逗子のパン店が地元の生蜂蜜販売 「地域の豊かさを伝えたい」

新商品「生はちみつとカカオニブ」(手前)と「葉山はちはち舎」の生はちみつ(奥)

新商品「生はちみつとカカオニブ」(手前)と「葉山はちはち舎」の生はちみつ(奥)

  • 22

  •  

 逗子の田越川沿いにあるパン店「Blougne(ブローニュ)」(逗子市逗子6)がローカル生蜂蜜専門店「森と海町はちみつ」を併設して3カ月がたち、12月6日、新商品「生はちみつとカカオニブ」(1,500円)の販売を始めた。

足を止め、店前で蜂蜜に関心を持つ人も多い

[広告]

 店主の峰岸香さんは、店から見える山で2016(平成28)年に養蜂を始めた林養蜂家と出会ったことがきっかけで蜂蜜を店頭販売するようになる。「林さんが養蜂している山は津波の際の避難場所になっている。林さんは仕事のために山道を草刈りしているのだが、結果、地域住民のための避難路は確保されている。コロナ禍で販売先店舗の営業が難しくなった時、地域貢献してくれている若い人を応援したいと思った」と話す。

 コロナ禍で蜂蜜に抗菌作用があるという情報が広がり、多くのお客さんが買い求めた。需要に見合うよう、全国の養蜂家を訪ね、話を聞いて販売するための知識を得た。「養蜂家の皆さんから本物の蜂蜜を売ってくれと言われた。そこで天然、非加熱の物を養蜂家から直接仕入れることにした。イートインできるカフェのスペースを減らし、生蜂蜜専門店を始めた」と峰岸さん。

 生蜂蜜は季節により、蜜蜂の集める花により味わいがまったく違うという。逗子の「はやし養蜂」の蜂蜜は海風が吹く周辺の樹木のためか爽やかで蜜の色も薄い。「葉山はちはち舎」(葉山町一色)は山間部の樹木が多く、逗子産に比べ味も色も濃い目だという。峰岸さんは「長野県で最年少の養蜂家・上野友滉さんが営む『上野養蜂園』(茅野市)の蜂蜜とも比べて食べると、違いがよく分かる」と話す。

 新商品は「生蜂蜜を食べなれてきたお客さんに新しい味を届けたいと思い、以前からパン店で扱っているスーパーフードと言われるカカオニブとはちはちさんのかんきつ系の蜜をブレンドしてコラボしてみた」と峰岸さん。「混ぜてそのまま食べてもいいし、ドレッシングに合わせてもいい。甘いものが苦手な人にも食べてもらえそう」とも。

 「アインシュタインが『もしミツバチが地球からいなくなったら、人類は4年しか生きられない』と予言したように、蜜蜂は自然環境に大きな役割を果たしている。店から見える山で蜜蜂が生きていることを蜂蜜を販売することで伝えていくことができる。山が豊かになれば川も海も豊かになる。地元産の蜂蜜があることは環境の良さを自慢できるはず。土産として買う人も増えている。生産量が増えれば、食べ比べやパンにも使っていきたい」と峰岸さんは養蜂の将来に期待する。

 営業時間は11時~18時、月曜~水曜定休。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース