陶芸作家の佐野智子さんが県道311号沿いにカフェ&ギャラリー「tomokoubou(トモ工房)」(葉山町長柄)をオープンして、11月7日で2カ月がたった。
逗子で育ち、2004(平成16)年には市内に工房も作り、約20年にわたり陶芸作家として活動している佐野さんは「沼間中学の時に学校に窯ができ、陶芸に興味を持った。高校でデザインを勉強した後、京都で陶芸の技術を学んだ」と話す。
10年ほど前から自宅兼アトリエ兼教室が開ける場所を探していた佐野さんは4年前に自宅兼アトリエを完成させ、窯もそれまでの倍以上の大きさとなり、年4回の個展も軌道に乗るようになった。「それでもカフェを作りたいという思いはずっとあった。やっと出合った場所がここだった」と佐野さん。
1階はカフェ(約10畳)で、席数は12席。佐野さんの作品のモチーフに沿った特注の机や椅子が並び、大きな窓からは遠くには山が見え、隣接する林の木々も窓景になる。「車の多い県道沿いなのに佐野さんの作品のストーリーに触れることができる」などと客も喜ぶという。オープニングの個展には全国からファンが足を運んだ。
カフェのメインメニューは、佐野さんが「発想」した丸いクレープ「まるまるクレープ」(600円~、テイクアウト450円~)。ランチプレートはハムチーズクレープ・スープセット(1,000円)、ガレット(1,300円)、ドライカレー・スープ・サラダセット(1,500円)。ドリンクはコーヒー(500円)、ジンジャーミルク(550円)、自家製ジンジャーエール(600円)など。
「クレープは私がクレープ店でバイトをしていた経験を生かして作った。コーヒーは山形で飲んだコーヒーがおいしくて、それを取り寄せている」と佐野さん。皿やコップに加え、しつらえの花瓶や鏡、壁のプレートなどもオリジナル作品。
2階には窯があり、教室やギャラリーとして使用する。「土を触りながらではなく、頭の中でできあがってから実際に形にしていくタイプ。ひらめく時もあるし、1年半くらいかかる時もある」という佐野さんは「ここで購入を希望する方も多いが、年2回ほどここで個展を開く時に購入いただく。長年、個展を楽しみにしてくださる方が多い。次は来年春に開く予定」と話す。
営業は木曜~土曜の11時~16時。