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逗子・小坪産「海ぶどう」初出荷 地元スーパーで販売

小坪で育った「海ぶどう」。成長したものから収穫

小坪で育った「海ぶどう」。成長したものから収穫

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 逗子・小坪漁港で合同会社こつぼ(逗子市小坪4)が今年初めて養殖・出荷した「海ぶどう」が9月3日、スーパーマーケットスズキヤ駅前店(逗子市逗子1)の鮮魚売り場前に並んだ。

スーパースズキヤ駅前店に並んだ「小坪産 海ぶどう」

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 小坪漁港では昨年から、「キャベツウニ」の陸上養殖を始めたが、ウニは春先から始め、海水温が25度になる7月には出荷するため水槽が空いてしまう。養殖を手掛ける漁師の座間太一さんは「アカモクやウニで相談にのってもらっている神奈川県水産技術センターに、空いた水槽で何かできないかと聞いたら、藤沢で人工海水を使って海ぶどうを養殖している人がいると紹介してくれた」と話す。

 座間さんは紹介された黒澤浩一さんを訪ね、ノウハウを聞き、沖縄・宮古島の海ぶどうの苗を購入、7月11日、6つの水槽に海水をひき、2枚の四角い網(50センチ×80センチ)に苗を1~1.5キロずつ挟んだ苗床を12枚作り、深さ20センチ程に沈めた。

 水槽作りから関わっている漁師の益子和男さんは「光合成をさせないといけないと聞き、日よけを外したら、茎ばかりが育ってしまった。そこで、日当たりを考えて苗床の位置を順番に移動させた。いろいろ試行錯誤しながら見守っている」と話し、「海水の栄養は沖縄よりあると思うが、その分、付着物が海ぶどうにつかないようケアした」とも。

 8月31日、初摘(つ)みが行われた。苗床はモサモサと海ぶどうが生育し、網は倍以上の重さになった。座間さんは「もう少し1本1本が長くなったかと思ったが、長くても5~6センチ。粒もやや小さいのでは」と心配するが、成育ぶりを見にきた黒澤さんは「よくできている」と笑顔を見せる。

 摘んだ海ぶどうは出荷する場合、4日間以上、切り口を養生するために海水につける。

 9月3日、出荷を迎えた「小坪産 海ぶどう」を買い取りに来たスーパースズキヤの仕入れ担当者は「沖縄産の海ぶどうしか見たことないが、同じように良くできている。プチプチ感がしっかりあって鮮度の良さがわかる」と評価した。店頭では100グラム800円で販売が始まった。入荷次第、販売していく。

 座間さんは「海水温が25度を下回ると成育しないので今月いっぱい販売できるかどうか。摘んだあとの短いものをまた苗床にして成長させている。収穫量が増えれば市内の飲食店にも卸していきたい」と期待を込める。

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