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逗子・小坪漁港の「キャベツウニ」出荷間近 陸上養殖、今年初の取り組み

小坪漁港で陸上養殖中のムラサキウニにエサのキャベツをあげる益子さん

小坪漁港で陸上養殖中のムラサキウニにエサのキャベツをあげる益子さん

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 小坪漁業協同組合(逗子市)と合同会社こつぼ(逗子市)で、今年初めて陸上養殖に取り組んだ「キャベツウニ」の出荷が間近に迫っている。

キャベツを食べるウニ

 「キャベツウニ」は、磯焼けでやせたムラサキウニにキャベツをエサとして与え育てる養殖ウニ。同組合では4月7日から、漁港の岸壁近くに1トンたるなどを水槽として5つ設置し、海から海水を引き、日よけを作り、沿岸で採ったムラサキウニ約1300個の養殖を行ってきた。日頃から漁師の座間太一さんの手伝いをしてきた建設業の益子和男さんが本業の技術を生かし、配管設置に工夫を凝らしたという。益子さんは座間さんと共にほぼ毎日キャベツウニ養殖場に通い、キャベツを与え、フンを取り除き、死んだウニを水槽から拾い出し、水温チェックなどを行ってきた。

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 キャベツは地元のスーパーマーケット「スズキヤ」(逗子市逗子)が、各店舗から売り場に置く際に外すキャベツの葉を集めて提供した。座間さんと益子さんは段ボール箱約8個分の外葉を週に一度、食べやすいよう細長く切ったり、水槽の下にいるウニが食べられるよう塩で漬けたりした。

 座間さんは「最初は小さな四角に切っていたが、細長いほうがウニのトゲでつかみやすいことがわ分かった。水温が高くなるにつれて食欲も増している」と話す。

 養殖の指導・協力を行っている神奈川県水産技術センター(三浦市三崎)企画指導部主任研究員の臼井一茂さんは「ウニの雑食性に着目し、約60日間、産卵の時期だけ養殖して身が入ればやせて捨てられるウニも売り物になるのではと考えた。研究を重ねた結果、食品として販売できるライン10%を超えた身入り率になった」と説明する。

 同取り組みは2017(平成29)年4月、記者発表した。日本テレビの番組「鉄腕DASH!!」でも臼井さん指導の下、出演者が養殖に挑戦する姿が放送された。神奈川県内では三浦市城ヶ島、横須賀市、小田原市の漁業協同組合をはじめ、横浜市場や川崎市場などでもキャベツウニ養殖に取り組んできた。

 「(キャベツウニは)甘み成分のグリシンが天然ウニより多く、磯臭さが少ないのが特長。ウニが苦手な人も食べられる」と臼井さん。

 6月中旬に海水温が22~23度になった。25度が続くと産卵してしまうためその直前に出荷する予定という。臼井さんは「6月15日に試しにウニを割ってみると、身入りは半分ほどだったが、飼育期間の最後の2週間ほどで急に生殖巣が大きくなる」と説明する。

 益子さんは「4月にはたるの1つが全滅したため、あらためてウニ300個を採って入れ直したり、排水管が詰まってしまったりと状況を観察しながら毎日対応してきた。池のコイにエサをやるようにキャベツを与えているが、コイのように寄ってくるわけでもない(笑)。それでも手間をかけた分、順調に育ってきたと思う」と話す。

 座間さん「磯焼けの原因として駆除されているウニだが、端材のキャベツをエサに商品化できれば。今後、地域資源として地域のみなさんにも味わってもらいたい」と期待を寄せる。

 出荷は7月上旬を予定しているという。

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