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逗子の寺で津波避難の体験 急坂登った全員が福男福女に

一年の福と被災地の復興を願って逗子の法性寺の急坂を登る「復幸ラン&ウォーク」

一年の福と被災地の復興を願って逗子の法性寺の急坂を登る「復幸ラン&ウォーク」

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 逗子の法性寺(逗子市久木9)で今年の福男・福女を決める「第6回 逗子復幸男女決定戦」が4月11日に開かれ、約30人が参加した。

逗子の法性寺正門をスタート

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 東日本大震災以降、岩手県陸前高田市と宮城県女川町の被災地支援を続けているボランティアグループ「逗子災害ボラバスターズ」が主催。女川で行われているランイベント「津波伝承 女川復幸男」の実行委員会に「復幸」のイベント名も了承を得て使っている。

 例年は、法性寺の山門から本堂正門までの急坂(約150メートル、標高約36メートル)をコースにして男女別・学年別に競争「復幸ラン」を行い、一番でゴールした人を福男・福女・福児童として表彰していた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため競争は行わず、坂上まで登った全員を「福男」「福女」「福児童」として「復幸証明書―復幸RUN参加の証」を渡した。

 50秒で駆け上がった小学3年生をはじめ、桐ケ谷覚市長、子どもを抱っこしながらの父親や高齢者まで3分22秒で参加者全員がゴールした。

 コースの続きとして、さらに約100段の階段を上がる「地獄坂エクストリームコース」にも全員がチャレンジ。頂上には祖師堂と日蓮聖人の直弟子、日朗上人のお墓がある。副住職の高久玄晃さんは「日蓮聖人が、幕府の役人たちに襲撃された時、白い猿が聖人の命をお守りしたという話が伝わっている」と話し、「難を逃れるという意味では津波から逃れると同じ。このイベントに参加し、津波が来たら高台に逃げるということを発信してほしい」と呼び掛けた。

 3人の娘と初めて登った父親は「子どもたちにとっては、話より体験することが大切と思って参加した」と言い、横浜市から来た女性は「津波から逃れる避難訓練として関心があった。私たちも地元でこういうことをやってみたいと思って参加したがよかった」と話す。

 主催した「逗子災害ボラバスターズ」の代表、勝呂勇樹さんはイベントを終え、「来年はいつものように2月11日に開催し、競争ができたらと思う。10年と1カ月がたつが東日本大震災から学んだ教訓を忘れずに、被災地を支援していく」とあいさつした。

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