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逗子の老舗「とうふ工房とちぎや」が葉山産たのくろ豆使った豆腐を商品化

(左から)3代目社長の亀田勝さん夫妻、4代目社長の亀田大さん

(左から)3代目社長の亀田勝さん夫妻、4代目社長の亀田大さん

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 今年創業90年を迎えた逗子の豆腐店「とうふ工房とちぎや」 (逗子市久木3)で12月23日、葉山の農家に代々伝わる在来品種「葉山たのくろ豆」で初めて作った豆腐の試食会が行われた。

(手前から)新商品「葉山たのくろ豆豆腐」「「津久井在来豆腐」「國安豆腐」

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 3代目社長の亀田勝さんは「私が受け継いでからは日本で古くから育てられている在来品種の大豆を使った豆腐作りに力を入れてきた。約10年前に三浦半島在来のたのくろ豆が葉山でも栽培されていると聞き、豆腐にできたらと思っていた。今年90周年を機に、約15年前に知り合った津久井在来大豆の生産農家、石井好一さんに協力いただき、豆腐を作ることができた。豆の量が限られているので失敗は許されない中、今までで一番の出来だと思える豆腐になった」と話す。

 自らも畑に通い、初めて農作業をしたという亀田さんによると、最初、6月6日に手作業でまいた豆は発芽せず失敗に終わり、6月27日、約900グラムの豆を最新鋭たねまきマシンを使ってまいたところ、一週間後に発芽。7月12日に1回目の培土作業を行った。8月中旬に白い花が咲き始め、続いて紫の花が咲いた。11月22日には脱穀(だっこく)・選別し、約22キロのエメラルドグリーンの豆を収穫したという。

 試食会に駆け付けた大豆農家の石井さんは「枝豆として大変おいしいので葉山の農家で受け継がれてきたが、豆腐にするには量と、脱穀などのインフラ整備が必要。来年以降も続けには広い農地はいる」と話し、豆腐を口にすると「枝豆のおいしさがここまで残るとは」と笑みがこぼれた。

 亀田さんは「今回は立春大吉の2月まで豆がうまくなるのを待ち、限定50個のセット販売だけになるが、家業の4代目を継いでくれた息子がこれから店を続けていくための看板メニューになるようにしたい。大豆を通して日本食文化を継承していきたい」と意気込む。

 たのくろ大豆を使った「たのくろ豆豆腐」は、「とちぎや豆腐食べ比べセット」(1,700円)と「とちぎや創業90年記念セット」(3,000円)として12月24日から販売予約を受け付ける。準備数は2種合わせて50セット。

 営業時間は9時~18時30分。水曜定休。

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