逗子リトルリーグが逗子ハイランド自治会のグラウンド(逗子市久木8)で、幼稚園から小学生を対象とした野球教室を6月から開催している。
同団体は1971(昭和46)年に創立し、卒団生は700人を超える。元中日ドラゴンズの愛甲猛選手などプロ野球選手、甲子園出場選手なども輩出した歴史あるチームで、毎週土曜・日曜を中心に活動している。
アメリカで誕生したリトルリーグは国際的少年野球組織で、小学校高学年以上はプロ野球や高校野球でも使われる硬球を使うのが特徴の一つ。神奈川県内には20弱のチームがあるが、年々競技人口が減り、7月には横須賀中央リトルリーグの活動が休止となり、逗子リトルリーグは東湘(湘南地域東部)から三浦半島全域で活動する唯一のリトルリーグチームとなった。
大学時代、硬式野球部に所属し、長男の入部を機にコーチとなり、現在は事務局長を務める加藤匠さんは「一度、硬球で野球をするとバットで打った手応えなどが忘れられない。10年くらい前、息子が高学年の時は全国大会で準優勝するなど強豪チームでメンバーも多く、全員が同じグラウンドで練習できないほどだった。その後、徐々に人数が減り、今は存続の危機感もある」と話す。初めて無料の野球教室を開催することについては、「コロナの影響で、子どもたちも体を動かす機会が減っているので、プロ野球も開幕したこのタイミングで企画した。強豪チーム時代のOBがコーチとして協力してくれている。経験のない子どもでも団員に交じって楽しそうにやっている」と説明する。
教室では投げ方、捕り方をはじめ、ルールを教えながら、試合の実践もする。全5回で、1回目は雨天中止だったが2回目は7人、3回目は10人と参加者も増えている。
横須賀から通っている小学5年生の団員の母親は「学生時代に野球をやっていた夫がいくつかの野球チームを見学してここに決めた。グラウンドやマシンなどの設備も整っていていい環境で練習ができる。逗子だけでなく、鎌倉、葉山、横須賀など地域を越えて仲間もできる」と話す。
総監督の早川和章さんは「野球はもちろんだが、あいさつなども大切に教えている。広いグラウンドで野球ができる機会が減っていると思うので、まず体験してもらいたい」と呼び掛ける。
4回目は8月10日、5回目は8月23日。9時15分受け付け開始、12時30分ごろ解散。参加無料。事前予約が必要。