逗子市と葉山町が6月1日、鎌倉市と連名で今夏の海水浴場開設を断念すると発表した。
2市1町ではこれまで、新型コロナウイルス感染拡大のリスクが懸念される中、海水浴場を利用する市民・町民および来訪者の安心・安全を守るという観点から、海水浴場の開設の是非について協議を行ってきた。
5月27日には神奈川県から「海水浴場等における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策ガイドライン」が示された。内容は「砂浜にソーシャルディスタンスを確保する目印の設置」「海の家の完全予約制」「ライフセーバーはマスクやフェースシールドの使用」などで、「順守できない場合は開設しないようにしてほしい」との要請が添えられた。
6月1日、逗子市役所で「逗子海水浴場の運営に関する検討会」が行われ、桐ケ谷覚市長は「逗子市にとって戦後からずっと地場産業は海だった、海水浴客によって経済が回ってきた。その夏の経済を止めることは死活問題で断腸の思い。開設しない中で安全安心をどのように守っていくかしっかり検討していきたい」と話した。
葉山町は同日、「海水浴場がないということは、海の家による飲食、更衣休憩所やシャワーなどの提供、ライフセーバーによる安全対策などが実施できないことになる。海岸までのバスなどの公共交通機関内での密も懸念される。ゴミの不法投棄や飲酒によるトラブルなどの治安や風紀の問題など、これら一連の行為に対するルールを作り、海岸に来られる方への十分な周知を行い、海上においても水上バイクやプレジャーボートなどに対し海水浴場がある時と変わらないマナー・ルールを示し、神奈川県、神奈川県警察および海上保安庁にもパトロールの強化などの協力をお願いしていく」と発表した。
逗子市と葉山町では今後、ルール作りやパトロールをどうするかなど、海岸の管理者である神奈川県や地元の海岸組合・マリン連盟などと共に協議を本格化させていく方針という。