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葉山牛肥育農家の石井ファームに直営マルシェ 地元農家の野菜も

ショーケースに並ぶオリジナルブランド「葉山石井牛」

ショーケースに並ぶオリジナルブランド「葉山石井牛」

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 湘南国際村近くにある「葉山石井ファーム」直営の「葉山マルシェ」(上山口、TEL046-854-4629)が5月26日、オープンした。

(右から)葉山マルシェの前で、料理長の小林さんと石井裕一さん家族

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 20代で同農場を継いだ畜産農家の石井裕一さんは「牛たちと向き合って25年、本当の安心、安全そしておいしさを追求してきた。ところが地域の方に買ってもらったり、食べてもらったりすることがほとんどできなかった。まずは地域の方に食べていただきたい。畜産農家としての経営は流通段階で相場の変動があり、安定していない。葉山牛を次の世代、息子や娘に残すための第一段のプロジェクトがマルシェ。自分たちで付加価値を持たせ、相場を上げることもできる」と話す。牧場をはじめ、畑の作業もマルシェの準備も妻、長男長女が一緒に働く。

 肉用牛の牧場として神奈川県内で最初にHACCP(ハサップ=食品を製造するために安全を確保するための管理手法)認証を取得した石井さんは自家配合飼料を使う。2018年度には食品製造工程で廃棄されるおからやビールかすなどの「エコフィード」を給与し特色ある畜産物を生産する先進的な事例として中央畜産会から優秀賞を受けている。「生産費を抑えながら肉質を高めるが、手間も掛かる。健康な牛でなければ長期肥育はできない。そのためにできることをやっていたら全国で認められるようになり、この方法が正しかったという自信につながった」と石井さん。

 マルシェの完成までには土地の活用や建築基準などに合わせるために約2年掛かったという。県道27号から少し離れた山あいにあり、建物の前後には畑を作った。石井さんは「分かりにくい場所だが、車の音も聞こえない。店で買ったお弁当や総菜をこの景色の中で味わってもらいたい。屋上にはベンチも設置した」と話す。

 扱う商品は黒毛和牛「葉山牛」肉、脂身の少ないジューシーなオリジナルブランド「葉山石井牛」肉、国産・神奈川県産の豚肉と鶏肉。石井ファームおよび地元農家直送の地場野菜。オープン初日には、ルッコラ、ニンジン、カブ、小松菜、新タマネギや新ジャガイモなどが並んだ。からあげ弁当(500円)やだし巻サンド(380円)も。

 フレンチを得意とする料理長の小林聡史さんは都内から、逗子を経て葉山に越してきた。「こんなに食材が豊富な場所で料理ができることは少ない。その日、手に入る肉の部位や野菜に合わせた料理を提供していくが、まず、ビーフシチューと塩レモンからあげ、ポテトサラダは間違いない」と笑顔を見せる。

 石井養蜂園の「湘南葉山はちみつ」や石井牧場の里山で飛び回る日本ミツバチからとれたハチミツとホーリーバジルを使った「おやつ&デリ3pm」の手作りあめ「金華糖(きんかとう)」なども販売する。予約制のディナーやデリバリーなども構想中という。

 営業時間は10時~17時。水曜定休日。

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