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逗子で絵本作家・葉祥明さんとピアニスト・ウォン=ウィンツァンさんコラボライブ 湘南で初めて

ウォンさんによるピアノ演奏をバックに自作の詩を朗読する葉さん(提供=T&T)

ウォンさんによるピアノ演奏をバックに自作の詩を朗読する葉さん(提供=T&T)

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 絵本作家の葉祥明(ようしょうめい)さんとピアニストのウォン・ウィンツァンさんが7月7日、「結・YUIコミュニティホール」(逗子市山の根)でコラボライブを行った。

(左から)対談するウォンさんと葉さん

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 絵本朗読とピアノ演奏、対談などを展開した同ライブ。2人のコラボは湘南地域では初めて。会場は満席の観客で熱気を帯びた。

 絵本作家で画家、詩人の葉さんは1946(昭和21)年熊本市生まれ。1973(昭和48)年、創作絵本「ぼくのべんちにしろいとり」でデビューし、1990(平成2)年、絵本「かぜとひょう」でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。絵本「地雷ではなく花をください」をはじめ、人間の心を含めた地球上のさまざまな問題をテーマに創作に取り組んでいる。

 ピアニスト、作曲家、即興演奏家のウォンさんは1949(昭和24)年神戸市生まれ。「瞑想のピアニスト」との異名を持つウォンさんは19歳でプロとして演奏活動を始め、70年代にはポップスグループのキーボーディストとして全米ツアーに参加。90年代に入り、即興演奏を中心とするソロ活動を始めた。NHK制作のテレビ番組「にっぽん紀行」やEテレ「こころの時代」でテーマ音楽を手掛けた実績を持つ。

 主催者の小山内俊江さんは逗子で映画「ガイアシンフォニー」の上映会などを行っている。小山内さんは「元々2人とは知り合い。葉さんとの出会いは記憶にないくらい昔。最初は本だった。絵本もたくさん読んだ。時々、北鎌倉にある葉祥明美術館で、ひとり静かな時間を過ごしたりする。ウォンさんとの出会いは20年くらい前で、友人に誘われた小さなホームコンサート。ウォンさんが弾くピアノの足元で聴いた。聴いている間、遠い旅をしているような感覚で、一瞬にして大ファンになった」と振り返る。

 「2人のコラボを思い立ったのは2月」とも。「鎌倉の川喜多映画記念館で、葉さんの『リトル・ブッダ』原画展のポスターを見たのがきっかけ。瞬間的に葉さんとウォンさんのコンサートが頭に浮かび、その足ですぐに葉祥明美術館に行って話を進めた」と話す。

 当日は、ウォンさんのピアノ演奏、葉さんのトークの後、90年代後半に知り合ったという2人による対談が行われた。始まる数分前の休憩時間に、葉さんから「どんな話にしよう」と声を掛けられたウォンさんは「キーワードはこれで」と3つほど提案し、葉さんは即応していた。

 対談は葉さんの絵がCDジャケットになったアルバム「ムーントーク」の話題から始まった。「瞑想のピアニストと呼ばれるようになった最初のコンサートを収録したもので、ブルーのグラデーションが合っている。葉さんの絵の美しいグラデーションにぐっとくるものがある」とウォンさん。
 キーワード「孤独」について、葉さんは「自分と向き合うことのできる孤独がクリエーティブには必要。孤独を知るからこそ、作品を喜んでもらいたいと思う。父は中華料理のシェフで、料理を食べてお客さんに喜んでもらっていた。私も同じ」と話す。ウォンさんは「理解されない、孤独な時代があった」と明かした。ルーツや瞑想の話など予定時間を越えて話が盛り上がった。

 最後はライブのタイトルにもなった「Life is…」の普遍性の話に及び、「感動しながら生きてほしい」と参加者にメッセージを送った。

 対談後は、ウォンさんのピアノ演奏にのせて葉さんが自作の詩を朗読した。ライブ終了後、参加者たちは「大きな気づきをもらった」「とても深い話を聞けた」などと満足した表情を浮かべていた。

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