逗子の新宿稲荷神社に続く石段付近で2月から、「新宿稲荷市」が行われている。
1回目の「稲荷市」の様子(提供=新宿稲荷神社の修繕費の寄付を募る会)
氏子会によると、約400年前の江戸期から地域の鎮守とされ、昭和になり「正一位新宿稲荷大明神」と呼ばれ親しまれてきた。
社殿は岩窟(がんくつ)と一体になった造りで、本殿は三間ほどの岩窟の中にあったが、1957(昭和32)年、現在の場所に社殿が建立された。その並びには、横穴古墳が6基もあったという。
昨年9月30日から10月1日にかけて発生した台風24号により、社殿の屋根の鉄板の大部分が破損・飛散し、下地が露出した。現在は応急処置を施している。社殿の床も雨漏りなどにより腐食が進み、危険な状態にある。修繕には約150万円必要という。そこで、地域の人たちが「新宿稲荷神社の修繕費の寄付を募る会」を作り、寄付を集めている。
賛同者の一人、和田修芳さんは「小さいころから何かあればお参りに行っていた大切な氏神さま。地域の皆さんで大事にしてきたこともあり、なんとか修繕して守っていきたい。稲荷神社ということで語呂合わせから17日にマルシェをやろうと提案した。調べたら食べ物のいなりずしの会社も語呂合わせを理由に『いなりの日』で登録していた」と話す。
2月17日に第1回を行い、酵母パンやスイーツ、紅茶、新鮮野菜、貝殻のアクセサリーなどと一緒に、いなりずしも販売された。品名は「新宿稲荷」で、逗子で捕れたアカモクを使ったレシピコンテストを機に商品化したもの。30食が即売したという。
今月17日も「新宿稲荷」をはじめ、新しく、焼きそば、イタリアン総菜、コーヒー、マクラメ、コケ玉の店が並ぶ予定。
和田さんは「寄付もお願いしたいが、この場所に地域を見守ってきたお稲荷さんがあり、大事にされてきたことも知ってほしい。神社から海岸を望む景色もいい」と呼び掛ける。
開催時間は10時30分~14時。9月の納涼祭まで毎月17日前後に開催する。