逗子海岸を拠点に活動しているフレスコボール日本代表選手の斉藤亮太さんが12月6日、今月15日・16日に開催される世界最高峰のブラジル選手権に出場するため日本を飛び立った。
(左から)活動拠点となっているエバーリゾートの山田哲也さん、斉藤選手、スタッフのあずみさん
同選手権はフレスコボール発祥の地、リオデジャネイロのコパカバーナビーチで開催される大会で、ブラジル国内のトップ選手の年間最終戦として位置付けられ、フレスコボールの大会としては最も格式の高い試合の一つという。日本からは10人の男女が派遣される。斉藤さんは今年、ジャパンオープンで優勝し日本ランキング2位となり、昨年に続き選ばれた。
フレスコボールはペアで行う競技で、5分間、ボールを落とさずにラリー回数やテクニックを披露する。目の前の相手は競争相手ではなく、相手の打ちやすい所に打ち返すことで「思いやりのスポーツ」とも言われる。同協会によると、世界の競技人口は約70万人。日本国内は約2000人。
斉藤さんは中学・高校とテニスを続け、プロを目指す気持ちもあったが、挫折を味わい、打ち込むものがなくなっていた2015年夏、フレスコボールに出合った。「最初は、海岸で行うスポーツなので、足腰が鍛えられていいかなという程度だったが、ビギナー向けの大会で優勝し、学生で活動している人がいないことを知り、自己流で練習を続けたところ、2016年のジャパンオープンで準優勝した」と話す。2016年には日本代表として伊で開催されたワールドリーグに出場。2017年にはブラジル選手権に招待選手として参加。「ベストを出せず7位だったが、本場のレベルの高さを間近に感じられた」と振り返る。
斉藤さんが逗子海岸に通うようになったのは今年1月から。「日本代表になって感じたことは、トップになったのに生活が変わらないという現実だった。メディアが取材に来てくれることもなく、生活レベルも同じ。その時に、十種競技でトップになった武井壮さんが話していたことを思い返した。見てくれる人がいないと意味がない、自分で価値を付け、世間に広げていくこと、知ってもらうことが大切という話」だったこともあり、逗子海岸では興味を持って見てくれる人が多いことに気が付き、自分からも声を掛けるようになった。
11月、逗子海岸で仲間になったグループで大会も開かれ、約80人が集まった。海岸に面した会員制ビーチリゾートクラブ「エバーリゾート」では体験もできる。代表の山田哲也さんは「ビーチスポーツは取り入れたいと考えていたので、斉藤さんが日本代表と知って応援したいと思った。フレスコは誰でもが楽しめるスポーツだと思う」と話す。
ブラジル選手権2018に向かう前に斉藤さんは「もちろん昨年よりいい成績を上げてきたい。逗子の地域でもっとつながりをつくり、逗子市が認めてくれるような大きい大会を開催してみたい」と抱負を語った。
結果などの情報は斉藤さんのツイッターや協会ホームページで更新される。