医療法人「沖縄徳洲会 葉山ハートセンター」(葉山町下山口)で10月から、婦人科の特定検診コース「プレコンセプションドック」が行われている。
同院は、2000年5月に高度先進心臓病治療センターとして開院。「心臓手術のハートセンター」というイメージが町内外にあるが、現在は循環器科、外科のほか、内科、婦人科、リハビリテーション科、救急総合診療科など幅広く、診療に当たっている。
特に、2017年6月、内科専門の田中江里さんが院長に就任してからは内科患者の入院や1次救急の受け入れも増やし、どちらも倍以上の対応数になった。この一連の取り組みは「葉山リバイバルプラン」として継続し力を入れているが、その中に一時中断されていた人間ドックの再開があった。田中院長は「素晴らしい眺望を持つ環境、静かな場所で、高品質で丁寧なドックをめざし再開したかった」と言い、各種ドッグを始めた。「プレコンセプションドック」もその一つ。
プレコンセプションとは、同センターのホームページによると「プレ=前、コンセプション=受胎の意味から、赤ちゃんを授かる前から健康ケアを行うこと」を指し、内容としては、身体検査、婦人科医内診、血液検査 (感染症)、子宮頸部細胞診、婦人科エコー、乳腺エコー、乳腺視と触診。
田中院長は「若い女性について注目しているデータがあり、ドックを作りたいと思っていた。特に感染症である梅毒。厚生労働省も注意喚起しているが、患者が増え、胎児に感染している場合もある。不妊の原因となる性感染症、クラミジアも20代前後の女性に多い。若い乳がんの患者さんもいて、早期検診を呼び掛けて早期発見を促したい」と以前からの思いがあったといい、「産婦人科に行くことに抵抗がある人もここならハードルが低いのでは。都内で働く女性など、小旅行気分で受けに来てほしい」と話す。
同ドックの受け入れが整ったことで、「神奈川なでしこブランド2019」にも応募した。同ブランドは、女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)の中から、優れたものを神奈川県が認定する。選考結果は2019年1月を予定。
「女性の院長と女性のスタッフが女性の目線で必要な検診と対応、広報を考えた。海岸に面した眺望とホテルのようにゆったりとした葉山らしい環境に自信を持って応募した」と田中院長。
結婚や妊娠を考えている娘や孫向けへの家族からのギフトとしても提案している。