プレスリリース

聞き取りやすい防災行政無線放送へ!

リリース発行企業:株式会社富士通ゼネラル

情報提供:


放送地点の様子(スピーカーの配置)

株式会社富士通ゼネラル(以下、当社)は、総務省消防庁主催の「防災行政無線等における屋外スピーカーの音達範囲向上等に関する検討会」で行われる実証実験を受託し、音声の聞こえやすさを高める各種施策について提案・実施しました。本施策は、当社が防災行政無線における音達範囲(音の届く範囲)向上の重要性にいち早く着目して2022年に開発した、季節や気象条件に応じて防災行政無線の放送音を自動で聞き取りやすく変換する独自技術「SIAFOLS(サイアフォルス)(注1)」の知見を活用したものです。2024 年9月から2025年3月まで開催された同検討会では、実証実験の結果を基に有識者による検討がなされ、いずれの改善施策も迅速かつ確実な災害情報伝達を支える技術であると有用性を認められました。
防災行政無線は、屋外スピーカーや戸別受信機を介し、市町村役場から住民等に対して直接・同時に災害情報や行政情報を伝達できるシステムであり、消防庁ではその整備を推進しています。その一方で、防災行政無線等の屋外スピーカーからの放送は、広域をカバーするために多数の設備が必要となることや、気象条件等によっては聞き取りにくい場合があるなど、全国の自治体で整備を推進する上で様々な課題が存在します。消防庁はこれらの課題を解決することを目的に有識者による検討会を開催しました。




実証実験の様子

検討会では、神奈川県足柄上郡松田町の協力で実施した屋外実証実験の結果を基に、以下の改善施策が屋外スピーカーの音達範囲向上において有効であると示されました(注2)。
- 高性能スピーカーの導入
- 了解度改善機能を有する音声合成技術(音合強調)
- 了解度改善機能を有する子局設備の導入(子局強調)


本件は、総務省消防庁防災情報室が2025年3月に発行した「災害情報伝達手段の整備等に関する手引き(注3)」にも有用性が記され、3月27日には各都道府県消防防災主管部へ通知(注4)されました。防災行政無線放送は、上記1.~3.の改善施策と、スピーカー特性、季節変動、気象条件等の変化に応じて音の特性を自動的に調整する「SIAFOLS」により、様々な条件下でも聞き取りやすい放送音声の提供が可能となります。

近年、気候変動の影響により台風や豪雨、地震などの気象災害が頻発・激甚化するなか、総務省は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、災害情報伝達手段である防災行政無線の普及率100%を目指して機能強化を推進しています。当社は、「安心・安全な地域社会の実現」を目指し、防災分野をはじめとする各種先端技術の開発にこれまで取り組んでまいりました。「SIAFOLS」をさらに進化させることで、災害時における迅速な情報共有の実現を支援し、社会インフラの発展へ継続的に貢献してまいります。

注1: 2022年5月に発表した当社独自技術。特許出願中。
注2:「防災行政無線等の屋外スピーカーの音達範囲向上等に関する検討報告書」2025年3 月 防災行政無線等の屋外スピーカーの音達範囲向上等に関する検討会 発行にまとめられている
注3:「災害情報伝達手段の整備等に関する手引き」2025年3月総務省消防庁防災情報室 発行
注4:「防災行政無線の屋外スピーカーの音達範囲向上等について(通知)」2025年3月27日 消防情第100号 防庁国民保護・防災部防災課防災情報室長 発行

ご参考
【検討会概要】

【実証実験概要】


聴取地点の様子

放送地点の様子(遠写)

関連リンク
- 2022年5月19日プレスリリース
「SIAFOLS」プレスリリース「豪雨や騒音下でも聞き取りやすい防災無線放送の新技術を開発」
- 2024年4月9日 プレスリリース
クリアな音声の防災行政無線放送を市内全域へ! 千葉県旭市の「GRANCAST」を新無線方式に切り替え


【商標について】
※「SIAFOLS」「サイアフォルス」は株式会社富士通ゼネラルの登録商標です。

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