「食べて遊んで学ぶブルーカーボンと海の再生プロジェクト」の親子イベントの一つ「サザエDAY」が9月16日、葉山港(葉山町堀内)周辺で開催され、町内外から15組の親子が参加した。
当日は、葉山マリーナに集合した参加者を前に、同プロジェクトを主催する葉山アマモ協議会のメンバー、山木克則さんの話で始まった。「二酸化炭素をためる海藻・カジメやアマモなどの藻場の再生はブルーカーボンの創出となり、サザエなどの水産資源を減らさないことにつながる」と海中の写真や動画で説明。
同プロジェクトに賛同し、協力しているフリーダイバーの武藤由紀さんは「日々潜っている葉山の海には四季折々の特徴がある」と言い、「地球の身近な変化を自分の体で感じる機会にしてくれたら」と呼びかけた。
参加者は同マリーナ所有のクルーザーに乗船し、藻場の再生状況を確認、サザエの稚貝を放流した。
下船後、湘南漁業協同組合葉山支所に移動し、フランス料理店「レフェルヴェソンス」(東京都港区)のシェフ、生江史伸さんがサザエや地元の未利用魚・海藻類を使った料理を提供。メニューは、サザエのつぼ焼きひじきバターエスカルゴ風、トコブシと未利用魚(ブダイ、タカノハダイ、メジナ、ニザダイ)を使った洋風炊き込みご飯、チャンバラ貝のクラムチャウダー。
小学生らは「味の説明はできないが、とにかくおいしい」「渋い味だけど、うまい」などと口にしながら、大半の参加者が何度もお代わりした。
サザエほかを提供した漁師の長久保晶さんは「チャンバラ貝は最近、葉山で増えてきた貝で、市場でも見かけないので最初は食べられると思ってなかった」と話すが、参加した親子は細い貝からようじでクルリと身を引き出し、いくつも味わっていた。
最後に漁師らがサザエのさばき方を教えた。スプーンの柄で身を出し、塩もみをし、生で食べられる部分を包丁で切り、貝の上にのせて造りにした。
山木さんは「地域の企業や地元の漁師の皆さん、行政の協力を得て、ブルーカーボンについて子どもたちにこうして知ってもらえる機会を、これからも続けていきたい」と力を込める。