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犬も介護士が必要 葉山でシニアドッグの介護習得コース開講へ

犬の介護士、寺井聖恵さん、猪野麻未子さんと飼い犬のルート

犬の介護士、寺井聖恵さん、猪野麻未子さんと飼い犬のルート

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 2017年10月に発足した「ドッグライブリー協会」(葉山町長柄)が逗子・葉山で9月15日から、「シニアドッグ介護習得コース」の講座を開く。

寺井さんのケア中に寝入った17歳のチワワ。自分で歩くことは難しく、家族の作った車いすで運動し、元気に過ごしている

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 シニアドッグの介護士とは、犬の老いによる心身の衰えによる不調の対応をはじめ、愛犬の介護をどのようにしていいか分からない、体力的に難しいと困っている飼い主などに対して、適切な介護の方法を伝え、飼い主も犬も共に快適に暮らせるようにアドバイスをする仕事。

介護士として100軒以上の家族に対応してきた寺井聖恵さんは「人間と同じ。病院の医師は病気を診るが、介護の知識はない。獣医師も一緒。愛犬が夜泣きや徘徊(はいかい)、床ずれなどで困っていても、老犬の介護の知識を持っている獣医師はまだまだ少ない。夜中、家族が交代で犬の面倒をみて、疲れ果てて、やっと私のホームページやブログを探し当てて遠方から連絡してくる人も多い。需要は増えているが専門の担い手がまだ少ない」と現状を話す。

 協会では、「シニアドッグ介護習得コース」と「愛犬のための植物療法コース」を開設している。主宰の一人、寺井さんは、子どもの頃に実家の犬が弱っていく姿が切なかったという思いがずっと心にあり、介助犬の育成団体での仕事を経て、介護の仕事に就いた。
 一緒に立ち上げたハーバルセラピストの猪野麻未子さんは「飼っていた犬の心臓が弱く、自分で何とかしたいと思っていたときに、ハーブの情報が目に留まり、ハーブの勉強にはまっていった。最初は自分のための勉強だったが、犬の体が強くなっていくことを実感して、他の飼い主たちにも広く伝えたいと思うようになり、シニアドッグケアの勉強会に出掛けた」といい、そこで寺井さんと出会う。

 「介護習得コース」は、1日6時間の授業で4日間。おむつのケアや徘徊、夜泣き、床ずれなどへの対応、車いすでの補助など具体的な技術のほか、シニアドッグが快適に暮らせるための住環境や食事のこと、飼い主との接し方、介護士として働く心得など幅広い内容となっている。現在、9月15日スタートコース、来年1月スタートコースがあり、受講者を募集している。

 「愛犬のための植物療法コース」では、内臓機能の衰えや皮膚の疾患、生活習慣病の予防などに適したハーブの知識などを学ぶ。猪野さんは「知識があれば飼い主自身の生活にも役立つ。ハーブは犬と一緒に使ってもらえる」と説明。シャンプーやトリミングに連れていかれない犬のケアに取り入れると特に喜ばれるという。

 寺井さんは「愛犬にも介護が必要になるということを飼い主が考えられていない。介護士がいることも知られていない。習得コースを開設していることもそうだが、まず介護士という仕事があることを知ってほしい。適切な介護の方法を知れば、犬も飼い主も快適に暮らせる」と受講を呼び掛ける。

 申し込み方法など詳細は協会のホームページで確認できる。

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