マリンスポーツ向け捜索支援サービス「ココヘリマリン」ヘリーハンセンモデルのローンチを記念したお披露イベントが4月4日、葉山マリーナ(葉山町堀内)と海上で行われた。
AUTHENTIC JAPAN(福岡市中央区)が2016(平成28)年に始めた山岳遭難捜索サービス「ココヘリ」は、会員に貸与した発信機からの電波を捜索隊が持つ専用受信機で捉え、遭難者の位置情報をピンポイントで特定し警察・消防などの救助組織へ引き継ぐサービス。2023年8月時点で、約15万人の会員がいる。
同社社長の久我一総さんは「2年ほど前、ヘリーハンセンとの出合いがあり、山で積み上げてきた救助支援技術を海でも取り入れてもらい、安全にマリンスポーツを楽しめたら、と話を進めてきた」と振り返り、ゴールドウイン(東京都渋谷区)が手がけるスポーツウエアブランド「ヘリーハンセン」事業部長の古賀淳史さんは「海の事故を減らしたいという思いはずっとある。海で遭難すると流されて位置情報を確定することは難しい。ココヘリのサービスで海の事故を減らせる」と期待を込める。
ココヘリの特徴はGPS(衛星測位システム)やBluetooth(近距離無線通信)のほか、捜索ヘリコプターや公的機関が捜索する際に使う専用電波を発信しているためピンポイントで位置を特定できる点。マリーナ沖で披露されたデモンストレーションでもGPSによる誘導後、専用電波が海に浮かぶ遭難者役を正確に捉えた。
葉山マリーナの寿浅実社長は「今年60周年を迎えたマリーナだが、ずっと安心安全を心がけてきた」と話し、全国のマリーナで初となる試みとして、マリーナ利用者にココヘリマリンを無償レンタルするサービスを始めると説明した。
ヘリーハンセンでは子どもが着用するココヘリ専用のフローティングベストの販売も同日、始めた。発信機は水中では発信できないため、ライフジャケットの着用は重要だという。
久我さんは「行方不明者の発見率は96%。ヘリで行けない場所へはドローンも飛ばせるようになった。海や山だけでなく、町でももちろん使ってもらえる。湘南地域は海山を抱える場所でもあり、自然災害の際にも役立つのでは」と話す。