逗子を中心に湘南地域で11店舗を展開しているスーパースズキヤ(逗子市逗子1)が1月15日、新事業「移動スーパー」の運行を始め、スズキヤ逗子駅前店キクチビル駐車場で出発式を行った。
2022年で120周年を迎えた同社は、2000(平成12)年に電話やファクスで商品を受注し宅配するサービスを、昨年10月にはウェブサイト上で注文できる宅配サービス「ネットスーパー」を始めた。高城宏一社長は出発式で、「昨年1年間で2万2000件の宅配を行った。店まで買い物に来ることが難しいお客さまが多く、5年ほど前から移動スーパーの要望は頂いていた。今回やっと、私たちが地域に出向くことで、商品を実際に見る、触る、選ぶという買物の楽しさを届けられる」とあいさつした。
軽トラックにスズキヤ逗子駅前店で販売中の生鮮品、食料品、総菜、日用品など 約 400 品目を積んで、3コース13カ所を週2回ずつ巡回する。1品目につき20円が加算される。店舗の会員カードのポイントも付与する。カード決済での買い物は整備中だという。
今後、行政、警察、社会福祉協議会と協定を結び、地域住民の課題を共有し、高齢者や買い物弱者などの見守りにつなげられるよう検討している。出発式に臨んだ逗子市社会福祉協議会会長の岸原晃さんは「社協には日常生活を見守るサポーターがいる。移動販売車が定期的に巡回することで地域の困り事の情報が寄せられれば、その内容によって社協や警察が解決に当たりたい。町の安心安全につながれば」と期待を寄せる。
テープカット、移動スーパー担当の小田隆夫さんの決意表明の後、月曜の巡回コースに向け、移動販売車はスタートした。
14時、月木コース2カ所目の「SOMPOケア ラヴィーレ東逗子」(沼間3)に到着すると、入居者が次々と出てきて、お菓子や果物、ソースやジャム、歯磨き粉などを買い求めた。ホーム職員は「レクリエーションの一つになる。見るとつい買ってしまうようだ」と、入居者が希望する商品を一緒に探していた。小田さんは「午前中は総菜が良く売れた。30分はあっという間」と急ぎ、商品をトラックに収めて、次の販売場所である「逗子杜の郷」(沼間1)へ向かった。
スズキヤ販売促進部の吉田徹さんは「課題の一つは移動販売車を置かせてもらえる場所。私の家の方にも来てほしいという声がある。民有地で貸していただける場所があれば巡回コースも増やしていきたい」と話す。