逗子・小坪漁港の正月恒例行事「みかん投げ」が1月2日、4年ぶりに開催された。
浜に係留した漁船が1隻ずつ順番に漁師らがミカンやお菓子を投げる
一年の豊漁と海上での安全を願う八大龍王社(逗子市小坪5)の祭事の一つ「みかん投げ」は正月行事としても市民に親しまれてきたが、コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となった。
漁師たちは龍宮にミカンを奉納し、10時に漁業協同組合の建物前に置かれたトラック上から「みかん投げ」を始めた。その後、大漁旗を掲げた停泊中の遊漁船、次に浜に係留した10艇の漁船から順番に漁師らがミカンや駄菓子を投げる。準備されたミカンなどは全部で約2トンという。
トラック上から開始にあたりあいさつした大竹清司組合長は「たくさんの人が集まっていただくことはうれしいが白熱のあまり子どもが押されて海に落ちてしまったり高齢者が足元につまずき、けがしたりすることがあったので組合員らと検討を重ねたうえで、開催することにした。じゅうぶんに注意をして福を持ち帰ってもらえたら」と呼びかけ、桐ケ谷覚市長は「海に隣接する逗子は昨日の石川県能登の大地震も他人ごとではない。安全管理もしっかりやらなければならない。今日は今年の福を呼ぶこのイベントでスタートしてもらいたい」とあいさつした。
参加者の多くは家族連れで、「こっち投げてー」「お菓子ほしーい」と船上に呼びかけ、精一杯に腕を伸ばし、ミカンやお菓子をキャッチした。
約1時間で終了し、大竹組合長は「どうにか無事に終えられてよかった。参加者はコロナ禍直前よりは少なかったが、皆さんに喜んでもらえたようだ。漁師の仕事は自然相手でどうなるか分からないが今年もいい年にしたい」と安堵の表情を見せた。