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逗子在住の市川力さんが「知図を描こう!」出版 歩いて面白がろう

歩き旅するジェネレーター、知図師と名乗る著者の市川力さん

歩き旅するジェネレーター、知図師と名乗る著者の市川力さん

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 逗子在住の市川力さんが12月15日、岩波ジュニアスタートブックス「知図(ちず)を描こう!」(岩波書店)を出版した。

岩波ジュニアスタートブックス「知図を描こう!」

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「知図」とは「歩いて観察して五感を通して体験したモノ・コト・ヒトを自由に描くもの」と市川さんは著書の中に書いている。あてもなく歩き、なんとなく気になる対象をたくさん集めて面白がろうと伝える。

 大学院卒業後、アメリカで13年間、日本人駐在員向けの学習塾で教師をし、帰国した市川さんは、英語と日本語のはざまの中で子どもの考える力や学ぶ力をどうやってつけていくかなどをまとめた「英語を子どもに教えるな」(中央公論新社)を初めて出版する。

 その後、オルタナティブスクール「東京コミュニティースクール」(東京都中野区)の初代校長を務め、「大人と子どもがたくらむ」というような探究学習の研究・実践をし、「探究する力」(知の探究社)にまとめる。学びの取り組みの場に参加し、盛り上げ生成していく役割の「ジェネレーター」として井庭崇さんと「ジェネレーター ~学ぶと活動の生成~」を昨年2022年、出版。

 市川さんは「知図について書けることが全国で広がっていた。旧知の仲だった編集長が1回目の『知図展』を見に来て、本にしようと提案してくれた」と話す。2021年に中学生向けに始まったジュニアスタートブックスの公式キャラクターは「ゆっくり歩いて、スイスイ泳ぐ」と説明を添えられたペンギンで「まさにぴったりなシリーズ」と笑顔を見せる一方、「今年は芸能界も政治も子どもたちに何やってんだ大人は、と冷めた目で見られるような年だった。そんな子どもたちに広い世の中ではなく、まず自分の周り、自分の持っている物の先に一筋の希望があるかもしれない、ゆっくり歩いてみようと伝えられたら」と話す。

 「さっそく読んでくれた中学生が、好きなことはまだなくてもいい、とりあえず面白いことをみつけようという箇所が良かったと言ってくれた。今の大人は好きなことを早く見つけたほうがいいとせかせてしまっている。この本では中学生にどうしたら面白いことをみつけられるか、その先はどうしたら良いかを提案している」と市川さん。

 「学校をコミュニティースクールにするのではなく、コミュニティースクールが地域の学びの場になるような活動を始めたいという全国の地域に出向く予定。葉山でも少しずつ始まっている」と市川さんは期待を寄せる。

 体裁はB6、126ページ。価格は1.595円。

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