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逗子に私設図書室「池子やまとしょしつ」 地域住民が空き家を利活用

発起人の谷崎貴恵さんとボランティアメンバー

発起人の谷崎貴恵さんとボランティアメンバー

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 逗子の空き家を活用した私設図書室「池子やまとしょしつ」(逗子市池子2)が10月27日、オープンした。運営は逗子の地域自治団体「池子小学校区住民自治協議会」。

(左から)池子小学校区住民自治協議会防犯部会長の鈴木新さんと会長の田宮知義さん

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 市立池子小学校やアザリエ団地などが立つ丘の上の住宅地にある同建物は、5年ほど前から空き家になっていた築約50年の2階建て一戸建て。1階の台所に続く二間は多世代交流室、2階の和室と納戸が子ども図書室、洋室がおとなの図書室になる。

 開設のきっかけを作った同協議会の街づくり部会メンバー、谷崎貴恵さんは「子どもが小学生になると自転車の後ろに乗せてはいけなくなるので、山を登り下りして町中の図書館に子どもと行きづらくなり、家の近くに小さくてもいいから図書館があればいいなと思うようになった。その思いを保護者仲間や地域の人に伝えていたら、協議会の役員の一人が友人の家が空き家になっていると教えてくれた」と話す。

 老夫婦が暮らしていた家は息子が管理し、月に1度、市外から風通しに来ていた。協議会の役員、鈴木新さんは「市の空き家事業の一つ『ふれあい活動の拠点整備支援』を活用し、支援金を得て、床や畳を張り替え、不用品を処分した。4月に決定した後、約半年をかけて地域住民が片付けや掃除、リフォームを行った。子どもから高齢者まで気軽に立ち寄れる場所になれば」と期待する。

 同支援事業利用により、家主の固定資産税、都市計画税相当額は免除となるため、賃料は無料。ただし、水道光熱費の支払いが必要となるため、その経費をどのように賄うかが検討課題だという。3年ごとに計画を見直し、継続についても話し合っていく。

 蔵書は、今年閉校した県立逗子高校の図書館や建て替えが予定されている久木会館などから不要になった本約500冊を譲り受けたほか、寄付などを合わせて1000冊ほどになるという。

 谷崎さんは「いくつかの幸運が重なり、皆さんの協力で開設することができた。今は開室ボランティアを募っている。まずは見に来てもらえたら」と話す。

 開室は月曜・水曜の15時~17時と土曜(月2回)の10~12時。賛助会員(1家族300円)も募っている。

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