逗子市商工会女性部が小学生を守る事前防災アプリ「ずし防くん」を制作し、9月1日の「防災の日」に合わせて公開する。
東日本大震災をきっかけに宮城県南三陸町と交流のある同商工会は、地形の似ている同市を視察する中で、小学生たちも土砂災害や津波に備え、事前に家族などと話し合っておく必要があると考え、夏休みを利用して小学生と一緒に取り組んだ。
制作を担当した女性部の北川淡美さんは「小学生はハザードマップを見ただけでは読み取ることが難しい。自分たちで危険箇所などを調査し、アプリを作れば身近に考えられるのではないかと思い、市内5つの公立小学校に声をかけ、子どもたちと自分の学校区をチェックしながら歩いた」と話す。
児童たちは歩いて気づいたことを元に、塾講師でアプリ開発のノウハウも持つ北川誠二さんとプログラミングツール「スクラッチ」を使って学校区ごとにアプリを作った。
地図に避難場所や土砂災害の危険個所などをマークした。北川誠二さんは「子どもたちの発想に任せたので、ゼロから作るのは大変だったと思うが、地区ごとに地形に合わせ、視点もそれぞれ工夫していた。キャラクターも作った」と話し、「全ての避難所を示してはいない。このアプリをきっかけに家族や友達と逃げる場所について話すきっかけにし、実際に場所を確認してほしい」と呼びかける。
北川淡美さんは「南三陸町では東日本大震災を経験した人たちから、『とにかく逃げる。子どもも大人の判断を待っていてはいけない。自分で判断できることが大事』と聞いた。逗子の子どもたちが津波や土砂崩れから自分で逃げることができるよう、これからも活動していく」と話す。
北川さんたちは9月18日、「ずし坊くん」を制作した児童たちと横浜国立大学で開催される内閣府主催の「ぼうさいこくたい子ども会議 2023」に参加する。