葉山町商工会女性部から葉山町への車いす寄贈式が7月12日、葉山町教育総合センター(堀内)で行われた。
感謝状を受け取った北村くみ子女性部長と山梨町長(写真提供=葉山町)
2012(平成24)年、設立40周年を機に同部が始めた活動は「環公害防止連絡協議会」(奈良県大和郡山市)が「公害を生み出さない人づくり」「空き缶散乱公害をなくす」ことを目指して実施しているアルミ資源回収運動で、800キロのアルミを集めると車いすが贈られる。
プルタブだけで160万個を集めなければならず、活動を始めて5代目の部長となった北村くみ子さんは「たまったプルタブを兵庫県三田の工場へ送ると送料がかかり、キロ数に換算したらマイナスになってしまうこともあった」と振り返る。50周年を前に、周年事業として車いす寄贈をすることとなり、アルミ缶の回収で800キロ達成に力を入れた。
「アルミ缶は回収後、洗って逆さまにして干してからつぶす。たばこの吸い殻が入っていると、それをかき出していた。缶をつぶす機械もあるが、機械を使わなくても上手につぶせるようになった」という北村さん。「最初は役員が中心になって行っていたが、近隣の飲食店やホテル、民宿などにも声をかけ、協力してくださる人が増えていった」と続ける。
4月21日、800キロに達し、その後、車いすが届き、葉山町教育総合センターでの利用が決まった。
寄贈式に続き感謝状贈呈式が行われ、栁新一郎商工会長をはじめ、北村部長と歴代の女性部長が出席した。山梨崇仁町長は「この取り組みが始まった年に葉山町長になったこともあり、長い年月をかけて集められ、立派な車いすとして寄贈いただいたことに、皆さんの長い間の努力を実感する。バリアフリー、インクルーシブの考えの下、共に暮らし、共に笑顔になる時代、あたたかい厚意に感謝する」と労をねぎらった。
北村さんは「10年前はSDGsという言葉も知らずに始めたが、振り返ると、この活動が環境問題への持続可能な取り組みだった。車いすが町の福祉に役立てば」と話す。