葉山町福祉文化会館(堀内)で7月27日、「草津町・葉山町姉妹都市締結50周年記念宣誓書調印式」が行われた。
葉山町と草津町は1969(昭和44)年3月29日、姉妹都市関係を結び、本年度50周年を迎えた。毎年夏に、親善水泳教室が葉山町で開催されており、7月26日から訪れていた参加者とともに、調印式を祝った。
両町の縁は、明治天皇の信頼を得ていたドイツ人医学博士エルウィン・フォン・ベルツが取り持った。ベルツ博士が、医学的見地から保養地としての葉山の良さを進言したことから、葉山に御用邸が置かれたといわれている。
博士は草津温泉の効能の良さも世界に伝えた。草津独特な入浴法や泉質、環境の良さを「草津には無比の温泉以外に、日本で最上の山と空気と理想的な飲料水がある・・」と日記にも記している。
町長室に50年前の宣誓書が2枚並んで飾られているという葉山町の山梨崇仁町長は「町の80年史には6ページも使って草津町との姉妹都市25周年を森戸海岸で祝ったことが書かれている。海の町としてのおもてなしだったのかと思う。これまで先人が作り上げてきた密な交流を感謝し、これからの50年を楽しみたい」とあいさつした。
草津町の黒岩信忠町長は「海辺のリゾート葉山、高原のリゾート草津、この2つの町の魅力を見出してくれたベルツ博士の思いを継いで、相互交流が続いていることに感謝したい」と話し、続けて、今年1月23日の元白根山の噴火について、なかなか現実として捉えられなかったと被災の状況を伝えた。志賀草津高原ルートの開通式を4月20日に感無量で迎えたが、2日後、湯釜の火山噴火警戒レベルが1から2に引上げられ、通行止めになった。観光客は2割減で、観光業は厳しく、町も緊張感のある日々を過ごしているという。
「ただ、火山があるから温泉が湧く。私たちは火山と共生していかないといけない。来年のスキー教室に葉山町の皆さんと会えることを楽しみにしている」とあいさつを締めくくった。
葉山町では、草津町の宿泊施設でキャンセルが相次いでいることを受け、草津町を応援することを目的に、期間限定で宿泊助成金を1泊あたり一人1,000 円から3,000円(小学生=1,500円)に引き上げている。
宣誓書は、葉山町役場、町立図書館、葉山ステーションで掲示されている。