バレエ×日本舞踊×室内楽による新作舞台「金閣寺 -その人を生きる-」が5月6日、逗子文化プラザなぎさホール(逗子市逗子4)で上演される。
(左から4番目)総合演出のギター奏者、山下光鶴さん(提供=Ensemble Classica Zushi)
主催する「Ensemble Classica Zushi」代表でトランペット奏者の齋藤友亨さん、妻で打楽器奏者の齋藤梨々子さん、バレエダンサーの齋藤充央さんらは、逗子出身で久木小学校久木中学校の卒業生。3人ともドイツ、ロシアで活動した後、逗子に戻り、自分たちの経験を地域に還元できるよう表現活動をしているという。
題材は1950(昭和25)年7月、京都で実際に起きた21歳の見習い僧侶による「金閣寺放火事件」。友亨さんは「美の象徴ともいえる金閣寺に放火してしまったこの青年の心理を通して、美とは何か、とか破滅へと至る魂の苦悩などに向き合い、私たちなりに表現することに挑戦する」と話す。
2014(平成26)年からロシア国立ブリヤート歌劇場バレエ団にソリストとして所属し、昨年帰国した充央さんは「ロシアのバレエは上半身が美しく、完成されたもの。演じることが好きで続けてきたが、今回、日本舞踊とのコラボで日本人にしかできないバレエの魅力を表現できたら」と話す。
総合演出のギター奏者、山下光鶴さんは、ギタリストの父と作曲家の母の下で幼少より音楽を学んだ。10歳で父のファミリーアンサンブルのメンバーになり世界各地のコンサートに出演し、18歳からドイツで7年間学び、帰国。友亨さんはドイツで知り合い、いつか共演したいと思っていた夢が今回実現する。「ドイツでは、なぜ日本人がトランペットなのかと問われたが、アジア人が西洋音楽をやる矛盾さのようなものも彼となら表現できると思っている。美に憧れながら消してしまおうとした青年を通して」と友亨さん。
梨々子さんは「難しいテーマを取り上げたので、子どもたちにはすぐには理解できないかもしれないが、生の演奏や踊りのエネルギーを感じてもらえれば、いつか伝わるものが残るはず」と力を込める。
15時開演、16時終演。チケットは、一般=2,500円、高校生以下=500円。