神奈川県内の私立男子校で最も歴史の古い逗子開成中学校・高校(逗子市新宿2)の創立120周年記念式典が4月18日、同校体育館で行われた。
逗子市がまだ三浦郡田越村だった1903(明治36)年に東京開成中学校の分校、第二開成中学校として東昌寺(池子)本堂で開校してから120年を迎え、全校生徒約1600人をはじめ、教職員やPTA役員、来賓らが式典に参加した。
式典は、「和太鼓部」の高校3年生13人がこの日のために作った曲「快」の演奏で始まった。
昨年から120周年に向けて生徒約90人が記念プロジェクトチームに参加し、記念誌作成、記念グッズ作成、式典での記念動画作成、気候変動対策の4つのチームに分かれ、準備してきた。記念誌と記念グッズ「オリジナルタンブラー」は当日配布し、オリジナルLINEスタンプも紹介した。
式典の中で気候変動対策チームはパワーポイントを使い、学校が面している海の環境について調査したことや逗子市のカーボンニュートラルの取り組みなどを踏まえ「未来への提案」を発表。「気候変動対策の第一歩は逗子開成から始めよう」と呼びかけた。同チームは式典を機に、活動を続けるという。
記念動画は世界各地の姉妹校からお祝いのメッセージや在校生のインタビューをまとめた。特に創立者も同じという姉妹校「鎌倉女子学院」からのクイズに会場が湧いた。
生徒代表であいさつした高校生徒会長の宮山祥さんは、「生徒の自主性をサポートする」など引き継がれてきた校風の良さを挙げ、「未来に向け、生徒自治が発展することでより良い学校になると思う。歴史の重みを感じながら、新たな時代に正面から向き合い、力強く未来を切り開いていこう」と話した。
最後に85周年記念で団伊玖磨が作曲した開成讃歌「海」を吹奏楽部が演奏し、卒業生で宝塚大学教授の渡邊哲意さんと写真部によるプロジェクションマッピングが体育館正面の壁いっぱいに映し出され、120年の歴史を振り返った。
司会を務めた高校生徒会副会長の北島理仁さんが閉式の辞を述べ、会場は大きな拍手に包まれた。