県立逗子高校(逗子市池子4)が11月25日、創立百周年記念式典と記念祝賀演奏会をよこすか芸術劇場大ホール(横須賀市)で行った。
1922(大正11)年4月10日に逗子町立逗子実科高等女学校として創立し、100周年を迎えた同校はこれまで、校名が7回変わり、1948(昭和23)年には廃校の危機も乗り越え、約2万人の卒業生を送り出してきた。来年3月には逗葉高校(逗子市桜山5)との再編統合により、校舎は閉校し、校名は逗子葉山高校となる。
「県立高校改革推進計画の軌跡記録集」によると神奈川県では学校を閉じるに当たり学校としての教育活動の完了を記念し閉校・廃校の言葉を使わず、「完校(かんこう)」の造語を使う場合があるという。この日、式典でも「完校」が使われた。
第29代校長の佐久間健さんは式辞で「令和2年から100周年に向けて準備会、実行委員会を重ねてきた。この日が迎えられ感慨深い。私自身も28期生として緑豊かな池子の地で多感な青春時代を楽しんだ。最後の校長として完校に携わることとなり、関係者の皆さまの理想郷として残り続けることを願ってやまない。逗葉高校の校長も逗子高の同窓生なので、母校の精神も継承されると思う。逗子高校の卒業生としての誇りを永遠に持ち続けたい」と話した。
同窓会「秀麗会」会長の新倉聡さんは「校舎は三方を山に囲まれ四季折々の自然に触れることでのんびりとしたおおらかさが母校の個性の一つ。来年3月に終わることは大変残念だが、校歌にあるように学園は永遠、101年目の歴史を作っていきたい」とあいさつした。
PTA会長の立川悦子さんは在校生に向け、「完校になると知りながら入学して、歴史をつないでくれてありがとう。後輩はいなかったが、100年間の先輩方がいる。皆さんも長い歴史の一部になる」と話した。
生徒会長の荻原たからさんは「歴史の節目に立ち会えたことに喜びと感謝の気持ちがいっぱい。生徒主体で行う学校行事も受け継いできた。最後の逗子校生として誇りを持って過ごしていきたい」とあいさつを結んだ。
記念祝賀演奏会では、2005(平成17)年卒業生の島山ノブヨシさんが司会を務め、逗子高校ショークワイア―結成20周年スペシャルユニット約20人がオープニングを務めた。なぎさホール開館を記念して結成したユニット「なぎさブラスゾリステン」を中心としたアンサンブルバンドは團伊玖磨作曲の「祝典行進曲」などを演奏。逗子高校吹奏楽部3年生9人に賛助出演者約60人が加わったバンドは、ジェームズ・バーンズ作曲による創立80周年記念作品、90周年記念作品、100周年記念作品を演奏した。最後は、出席者全員で「翼をください」を披露し幕を閉じた。
同校は現在、3年生6クラス約230人が在籍。来年3月1日に第75回卒業式を行い、同31日完校する。