葉山在住の杉本善英さんが製作した木製カナディアンカヌーの進水式が10月2日、大浜海岸とんび磯で行われた。
「好日葉山工房」の原田幹寿さん、梅原雅士さんと完成を喜ぶ杉本善英さん(中央)
2月1日にオープンした木製カヌー&シーカヤック工房「好日葉山工房」(葉山町下山口)で製作した初めての完成品となり、葉山御用邸前のビルにある工房から手ほどきをしてきた梅原雅士さん、原田幹寿さんらがカヌーを台車に載せ、歩いてすぐの大浜海岸に運んだ。
遠くにうっすらと富士山が見える快晴の浜には杉本さんの家族や友人、工房で製作に励む仲間などが集まった。シャンパンを開け、カヌーに振りかけ、集まった人たちと乾杯した後、杉本さんは「今年1月、犬の散歩の途中、工房オープン準備中に木製のカナディアンカヌーが置いてあり、『これ造れるんですか』と声を掛けたことが始まりで、約7カ月かけて完成した。途中、テレビ番組の撮影という面白い展開もあった」と振り返った。
原田さんによるとカヌーは長さ約4.8メートル、重さ約30キロ。ストリッププランキング工法で製作したという。杉本さんは「服作りが本業だが、船を作ることは初めてで何度もくじけそうになった。妻と愛犬と一緒に富士五湖に浮かべて楽しむことを夢見てやっとここまできた」と笑顔を見せる。
長年、木製カヌーのインストラクターや製作をしてきたという梅原さんは「手作りカヌーは誰でも作れる。辛抱強さがあれば」といい、「好日葉山工房」コンシェルジュの原田さんは「ワークショップに来る人の多くはカヌーに乗りたくて工房に通い始めるが、だんだん作ることが楽しくなってくる。杉本さんのカヌーも今日、完成したが、これからメンテナンスも必要、アウトリガーを付けることもできるし、手を加えていく楽しみも増える」と話す。現在、工房では6人がスタンドアップパドルやシーカヤックを製作中だという。
杉本さんは妻、愛犬を乗せて50メートルくらい、海上を楽しみ、その後、友人知人を順番に乗せ、集まったみんなで乗り心地を楽しんでいた。