逗子の私設科学館「LiCa・HOUSe 理科ハウス」(逗子市池子2)が7月31日、サイエンスレクチャー「新しい種が生まれる時」を開いた。
(左から)理科ハウス学芸員の山浦安曇さん、総合研究大学院大学の寺井洋平助教授、理科ハウス館長の森裕美子さん
講師を務めたのは葉山町湘南国際村にある総合研究大学院大学の先導科学研究科生命共生体進化学専攻助教の寺井洋平さん。新しい種が誕生する時、より良く生き残るためにどのように環境と適応し種分化していくかという研究内容や調査について話を進めた。
寺井さんの研究対象は、シクリッド(小型魚)、サンゴ、地衣類のイオウゴケ、インドネシア・スラウェシ島にしかいないサル・マカクなどで、参加者の要望に応じ、どのような方法で研究し、何を解明したかを具体的に説明した。
熱心に聞き入っていた参加者からも適宜、質問があったが、理科ハウスからの「生物の多様性はなぜ必要なのか」という質問には「誰にとって必要かをまず考えること。生き物か、人間か、地球かによって答えは違う」と寺井さんは答えた。
レクチャーの最後には、寺井さんの研究グループによる最近の研究が明らかにした「ゲノム解析からニホンオオカミとイヌが近縁であること」についての一部を紹介した。
小学生の頃から理科ハウスに通っているという高校生や大学生らは、レクチャー終了後も熱心に寺井さんに質問していた。
サイエンスレクチャーは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を約2年延期していたこともあり、理科ハウス館長の森裕美子さんは「やはりライブでの開催はいい。今後も感染対策をしながら来館者に関心を持ってもらえるようなサイエンスレクチャーを開催していく」と意気込む。
次回のサイエンスレクチャー開催日は8月21日。東京大学大学院理学系研究科科学専攻の大学生らが「カガクのメガネで見るセカイ」を演題に行う。
開催時間は14時~16時。参加費は、中学生~大学生=1,000円。大人=2,000円。要予約。