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葉山の旧足立家別邸主屋と逗子の旧本多家住宅主屋が国登録有形文化財へ

葉山にある建築家・佐藤功一設計による旧足立家別邸主屋。葉山町内の国登録有形文化財7件目となる

葉山にある建築家・佐藤功一設計による旧足立家別邸主屋。葉山町内の国登録有形文化財7件目となる

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 葉山にある建築家・佐藤功一設計による旧足立家別邸主屋(葉山町堀内牛ヶ谷)と逗子にある建築家・久米権九郎設計による旧本多家住宅主屋(逗子市山の根2)が7月22日、文化審議会から文部科学大臣に対して答申されたことを受け、国の有形文化財に登録されることが決定した。

クラシカルな玄関ポーチも特徴的。逗子に残る建築家・久米権九郎が手がけた住宅

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 旧足立家別邸主屋は、2017(平成29)年、国登録有形文化財の指定を受けた「イエズス孝女会修道院旧館(旧東伏見宮葉山別邸)」の敷地と隣接した山裾に建ち、王子製紙取締役だった実業家、足立正さんの旧別邸。

 同建物は早稲田大学大隈記念講堂建設などに携わった建築家の佐藤功一さんの設計で、1933(昭和 8)年に建設された。 文化庁によると、外観は柱などの建築部材を外側に露出させたハーフティンバースタイルを採用し、玄関から東西に中廊下を配し、和室と洋室を混在させるなど当時の住宅にみられる形式で、佐藤さんの作品集にも掲載される貴重な住宅という。

 2020年に同建物へ家族と移住してきたという柴田大介さんは「私は学生のころから作り手のオリジナルが残る本物の洋館に興味があり、同様な価値観で西洋アンティーク業を仕事とする妻と相談して、住宅として残る西洋館を捜し、この建物と出合った。今まで大切に暮らし、残してきた方々の思いを私たちが受け継いだと思っている。私たちが最後のオーナーにならないよう、若い世代にこの家で暮らせることに興味を持ってもらいたい」と話す。妻の結さんは「住んでみると、どうしてこういう設計をしたかなどよく感じることができる。アンティークな物は経年することで価値が増す。時代と共に不便になることもあるが、それも含めてこの家は空気感がすばらしい」と笑顔を見せる。

 JR逗子駅近くにある旧本多家住宅主屋は軽井沢万平ホテルや日光金谷ホテルを設計した久米権九郎が手がけ、東京で会社を経営していた本多庄作さんが1938(昭和13)年に建てた。

 現所有者「久米設計」の社員は「『久米式耐震木骨構造』を使って設計された国内に現存する唯一の住宅作品。私たちも逗子に残っていることを知らなかった。本多さんの孫が歴史的建造物として保存することを希望していたこともあり、構造を補強した後、社員や地域の皆さんの活用も考えている。広い吹き抜けのあるチューダー調の居間や床の間のある和室、クラシカルな玄関ポーチなど和洋折衷の意匠が混在し、天井のレリーフや木製の建具など再現の難しい意匠が残されている」と話す。

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