逗子の小坪漁港で陸上養殖してきたムラサキウニ「キャベツウニ」が7月4日、地元のスーパーマーケットや飲食店に向け出荷された。
「キャベツウニ」は、磯焼けでやせたムラサキウニにキャベツを餌として与え育てる養殖ウニで、小坪漁業協同組合(逗子市)と合同会社こつぼ(同)が2020年から取り組んでいる。
養殖の中心になってウニを育ててきた漁師の座間太一さんは「今年は海からとってきた時点ですでに身入りが良かったが、出荷に当たり中を開けたらこの3年の中で一番良く育っていた。3年前、手探りでスタートしたが、養殖する環境なども少しずつ改良し、エサの工夫などが功を奏したのかもしれない」と話す。
キャベツウニを1個300円で販売した地元スーパーマーケットの「スズキヤ」は、売り場に置く際に外すキャベツの葉を集めてウニのえさとして提供し、ウニの出荷の際は社員数人が漁師と共に内臓を取り除き、家庭でそのまま食べられるように処理した。
座間さんによると、水槽には海水を引き込んでいるが、ウニは海水の温度25度の日が続くと産卵してしまうため7月11日で今年の出荷を終えたという。続いて、キャベツウニ水槽の隣では海ぶどうの養殖が始まっている。同養殖は昨年に次ぎ2年目で、ブロックなどで新しく水槽を作った。
座間さんと一緒に陸上養殖に関わっている益子和男さんは「高温のせいか、海ぶどうはすでによく育っている」と話す。「海ぶどうの出荷は7月末からになる見込み」と座間さん。