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逗子で大伯母が暮らした古民家をカフェに 自家焙煎コーヒーと岩手の米

(左から)店主の小野寺葵さんと自家焙煎ひろしコーヒーの齊藤裕さん

(左から)店主の小野寺葵さんと自家焙煎ひろしコーヒーの齊藤裕さん

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 逗子の住宅街に古民家カフェ「あおいと、(逗子市山の根3)が4月29日にオープンした。

朝食メニューの岩手県産米を使った和定食(提供=「あおいと、)

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 店主の小野寺葵さんの大叔母の夫が約80年前に購入し、今は小野寺さんが暮らしている戦前の建物で営業する。「大叔母が7年前に亡くなった後、空き家状態になりつつあったので、移住してきた。毎年夏になると家族で岩手から遊びに来ていた思い出がこの家には詰まっている」と振り返る。

 「95歳の祖父がこの家をいい形で残したいと気にしていた。本職が理学療法士なので治療院も考えたが、いろいろな人が出入りできる場所にしたいとカフェにした。物語の書き始めのような店名にいくつかの意味を込めた」と小野寺さん。

 コーヒーを担当できる人を探していた時に、イベント出店と通信販売で自家焙煎(じかばいせん)コーヒー「ひろしコーヒー」を営んでいる齊藤裕さんと出会った。グラフィックデザイナーでもある齊藤さんは店のデザインをはじめ、約4カ月、障子を張り替えたり、テラスデッキを作ったりDIYにも一緒に取り組み、開店にこぎ着けた。その経過をインスタグラムで公開していたことから、「オープンまでの状況を見守ってくれていた人たちも来てくれている」という。

 齊藤さんは、オーガニックでフェアトレードのスペシャルティーコーヒー豆のみを使い、焙煎前の生豆を50度の湯で手洗いし、雑味やえぐみ、渋味の元となる汚れやチャフ(薄皮)を落とし、少量焙煎機でじっくり丁寧に焼き上げる。注文後に豆をひき、リネン(麻)のフィルターを使っていれる。1杯500円~。「逗子の町を歩いていたら声をかけてもらえるよう町になじんでいきたい」と齊藤さん。

 料理は、和食料理店のバイトをしながら習得した小野寺さんが担当。朝食はおにぎり(400円)、和定食(700円)、米粉パンのフレンチトースト(750円)など、昼食はパスタやオムライス(650円)などを提供する。ビーガン対応のポタージュ(650円)やサラダ(700円)のサイドメニューやスコーン、アイスクリームなどデザートもある。

 小野寺さんは「母の実家の岩手の米を使い、季節の魚や野菜を取り入れている。起きたばかりのような感じで朝食を食べに来てくれる人がいるが、そういうサードプレイス、もう一つの家みたいになれたら」と笑顔を見せる。

 営業時間は7時~17時(木曜=15時まで)。朝食=7時~9時、昼食=11時~14時(以上ラストオーダー)、夕食=18時~(夕食は予約優先で営業し、好みや料金などによってメニューの相談ができる)。月曜定休。

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