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逗子湾で養殖コンブ 温暖化対策の一助になれば

逗子海岸沖で養殖したコンブを漁船に揚げる漁師

逗子海岸沖で養殖したコンブを漁船に揚げる漁師

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 逗子・小坪で現在、養殖コンブ干しが行われている。

浜でコンブを干す

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 漁師の座間太一さんは「昆布の養殖は小坪漁業協同組合に入った約10年前から取り組んでいる」と言う。養殖ワカメ用に縄いかだ30メートル×40メートルを作り、40メートルの親縄を24本張っている。そのうちの1本をコンブに当てている。

 神奈川県水産技術センターの普及指導員、荻野隆太さんは「国内最大のコンブの生産地、北海道では2年かけて養殖し、夏にコンブ漁が最盛期を迎えるが、三浦半島では夏の水温が高いこともあって12月に種付けし春先に収穫する1年物。その分、柔らかい」と話す。

 小坪漁業組合では縄いかだでの養殖は4月15日までと決めているために、座間さんはワカメの後、一番遅い時期にコンブを収穫するという。

 漁船から降ろしたコンブは浜の釜でゆで、水洗いして、タワシでこすり洗いをし、1、2日干す。干し作業をする漁師仲間は「北海道産のような濃いだしはでないが、さっとゆでて、ポン酢で食べてもおいしい」と笑顔を見せる。

 座間さんは「4カ月で約4メートルに急成長するコンブは杉の5倍もの二酸化炭素を吸収し、温室効果ガス削減に効果があると聞いている。そのために養殖を始めたわけではないが、海の環境に良いことならば力を入れて取り組んでみても」と力を込める。

 コンブは座間さんがオーナーを務めるイタリアンレストラン「ラ・ベルデ」(逗子市逗子2)で販売している。

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